12.とりま整理しよう
さて、瑠衣野さんと山本君が作戦の立て直しに熱中している間に私は掃除でもしてますかね。
この家隙間がありすぎて風が強い日は寒いし、外から砂も入ってくるから毎日掃除しないとそのうち砂の上で寝ることになっちゃうんだよね。
私はロッカーから雑巾とバケツ、ほうきを出して掃除を始めた。
んーそれにしても掃除中って考えることないよね。
しかもいま私一人だし。
ひたすらに目の前に積もっている砂を片付けるっていうのをひたすらに何も考えずにやるってなんかむなしくなる。
まあ、何も考えないのもなんだし今まで起きたことについてもう一回考えてみますか。
まず、よくわかんない光と音で人類の半数に能力が発現した。
これなんだよなー。
その日になにか特別なことがあったかって言ったらなにもないしほんとに突然なんだよね。
まず、普通の人類の体でそんな能力が使えるわけないから今考えられる使える理由は、
・人類の半数の身体の造りが変わった
・どこかにサーバーのようなものがあってそれから特別な力を受けている
・もとから身体の造りが2種類あってそのうち片方が能力を授かった
・もとから人類には一人一個能力があって、あの光で人類の半数が何の能力を持っているのかを知ったため
これくらい?
どれもありそうだけど、どれも非現実的すぎる。
まあ、もう今の状況が非現実的だから気にすることじゃないんだけどさ?
でもなんか、どれも違う気がする。
突如起こったにしては……何ていうか……突然すぎる?
うまく説明できないけど……おかしい気が……?
うん。
大切なことなんだろうけどこれ以上考えてても意味ない気がするし次へ移ろう。
次は、まあ少し時間を飛ばして転移されたことについて考えようかね。
んーー。
まず、どんだけ少なく見積もっても5000万人は転移されてるはず。
でもいくらなんでもそんなに転移させれないと思うんだけど……
例えば、0.01%の能力者が転移に目覚めるとしよう。
例えばね?
そしたら、転移をさせることができる人数は大体5000人になる。
だとしたら一人あたり1万人を転移させるってことでしょ?
普通無理じゃね?
どれくらいの人数を一気に転移させられるのか知らないけど、多分どんなに頑張っても1000人が限界だと思うんだよね。
なおかつ、山本君に聞いたら普通に能力を使っても疲れるらしい。
だから、誰にも気づかれずに転移させられる事は不可能なんだよなー。
んーこれも意味分かんない。
次に進もう。
一向に問題が解決しない……
えっと?何のこと考えるかな?
……じゃあ、核実験の事考えるか。
まず?私達が転移してしばらくたったらいきなり核実験が行われた。
この時点で意味分かんないけど、本番はこれから。
その後に能力者がその実験で汚れた土地を綺麗に戻していった。
……ほんとに意味分かんない。
核実験を行う早さもだけどその後に綺麗に戻していくっていうのも。
目的は何?
非能力者を殺したいだけならきれいに戻していかないはずだし、ほんとに実験だけをしたいのなら別に非能力者区画の人の住んでいるところでする必要はない。
だから、非能力者にを殺したいのか殺したくないのかがわかんない。
やっぱり環境が変わっても、頭のいい人が考えることって凡人にはわかんないんだな。
で?何が考えられんのかっていったら
・非能力者を皆殺しにした後にその土地を使うから
かな?
これしか私の頭じゃ考えられん。
確か、核の残滓みたいのって時間が立つほど土とか建物に吸収されていくから早く掃除したほうが良いっていうのを聞いた時あるような、ないような。
だからなんじゃないかな?
でもやっぱ違う気がする。
うん。
なんか、全部私の考えることが違うように感じるてしまう。
んーーもっと、もっと私の考えられないようなことが能力者の上層部で渦巻いている気がするんだよなー。
うん。何を考えてもやっぱ何もわかんなかった。
こういうのはいくら考えてもわかんないんだよ。
だからこれははしょうがないことなんだよ。
しょうがない。しょうがない。
「あの、夜乃さん?」
「……ん?ん!」
「あの……大丈夫ですか?ずっと掃除終わった後もほうきを動かしてブツブツ言ってましたけど?」
「え?」
下の方を見るとゴミはすべてなくなっていた……
これって……
山本くんと瑠衣野さんの方を見るとやっぱり可哀想な人を見る目で私を見ていた。
うん。私傷つかない。
もうさ、きみらネタとしてそれやってるよね!
じゃあさ、別にやめてくれても良いんだよ?
ネタってわかってても悲しくなるのには変わんないんだし……ね?
瑠衣野さんと一緒に作戦を練り直してたら意外と熱中しちゃって気づいたら夜乃さんがいなくなってたから探しに行ったら夜乃さんがなんか色々とつぶやきながらほうきを動かしてた。
あのー夜乃さん?何をやってらっしゃるの?
え?ぇえー?
ほんとに大丈夫?
病院行く?
なんか……これからの生活が心配になってきた。
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