気づかないけど、あたたかいこと
1年の、体感2割は自分を嫌うわたしがいて、体感1割は自分が嫌う私像のわたしがいる。
3割のわたしは、遠い過去の心の傷を癒やす長い長い旅に出る。
過去のわたしが泣いている。
いたいいたいと泣いている。
居たたまれなくなって自然に7割のわたしに戻って、タイムトラベルした7割のわたしが、もう大丈夫だよって声をかけるまで彼らは記憶の片隅でずっと泣いている。抑えきれなくなって向こうから飛びついてくることもある。
3割のわたしとして過ごすことが増えるうちに、時間と涙と周りの人が、とてもあたたかいことを知る。7割のわたしは気づかない。そんなこと忘れてしまっている。けれど、3割のわたしは、きちんと知っている。
あちこちに散らばっているあたたかさを集めて救われているわたし自身が、気づかないうちにあたたかくなっていればいい。そうして今度は、わたしがあたたかさを届けられる人間になればいい。
気づかないけど、あたたかいことを、少しずつ、たくさん。
光と闇の隙間にあるもの マロリー @because-its-there
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。光と闇の隙間にあるものの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
箇条書き日記最新/夢月七海
★31 エッセイ・ノンフィクション 連載中 1,662話
とっしーの一言/捨石 帰一
★16 エッセイ・ノンフィクション 連載中 1,725話
物書きの壁打ち/亜咲加奈
★90 エッセイ・ノンフィクション 連載中 34話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます