恋々萌夢

@harukaze_hina_

第1話 出会い

 これは、私の2人の憧れの存在に対しての想いを綴る物語です。


 「惜しかったな。」

 この一言から私の受験生生活が始まった。大学の推薦に必要な成績を収めることが出来なかったのだ。

今、夏休みが始まろうとしている時期に、私如月麗は受験生になった。


 受験生になったからといって急にやる気が出るはずもなく、途方に暮れてネットを見ているときに、ふとある広告が目に入った。

 『個別指導塾』

 私は元々勉強熱心でもなく、その場限りの一夜漬けでどうにかなってきた人生だった。だから予備校になんて通う気力も無く、楽そうな個別指導塾を選んだ。

 

 「本日は宜しくお願いします。」

 塾長との挨拶を交わし、早速授業内容やカリキュラムについての説明を受けた。個別指導とはいえ相手は大学生、失礼だがあまり高度な授業は期待していなかった。

 

 「こんにちは!!成瀬っていいます、よろしくね!」

 「おねがいしまーす!」

 一目見て、あぁ私、これからこの人を好きになるんだろうな、そう感じた。その時はなぜそう思ったのか分からなかったが、今考えればわかる。一目惚れだった。私は一目惚れをするような恋愛体質でもないし、第一見た目がすごくタイプというわけでもなかった。だからと言って、一般的に見たら先生はかっこいい方の部類に入ると思う。私は人と仲良くなることが大の得意だったからか、先生とはすぐ打ち解けることができた。

 

 これからどんどん仲良くなって、先生と付き合えちゃったりしたらどうしよう〜。

 そんなことを考えていたときに、ふと我に返った。

 「待って私、受験生じゃん...」

もう察しがついたと思うが、一夜漬けで生きていた私に知識が定着しているはずもなく、参考書を開いても何を言っているのか全く分からなかった。

でも私は、恋愛にだけはとことん力を注ぐタイプ。先生に好かれるためなら勉強だって頑張れる。


 「先生に好かれたいから死ぬほど勉強しよう...!」


 こうして私の受験生生活が始まった。

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