「メタモルフォーゼ」妄想病

ふるなる

「メタモルフォーゼ」妄想病

 夢の中のボクが言う

「どうして君は素朴なの?」

 何色にも染まれないボクがいる

 君みたいには着飾れない


 その日のお出かけ何を着よう?

 クローゼットの中は演技用

 この日のおめかしはカッコよく!

 そう思っていてもできない


「はぁ、君はずるいよね」

 好きに表現できて。

「あぁ、ボクは臆病だ」

 無意識に怯えているんだよね。


 もしもその場でイメージチェンジ

 きっと身内はどう思うんだろう

 その姿を想像しただけでも恐ろしいな

 もしもそうしてイメージチェンジ

 きっと身内は知るんだろう

 本当のワタシを。

 その未来を想像するだけでため息出るな



 夢の中のボクが言う

「どうして君は演じてるの?」

 どうしても変われないボクがいる

 君のように魔法はない


 その日のボクも演じていく

 本当は着たかったあの服

 この日の妄想も、真逆のボク

 生まれ変わりたいな


「はぁ、君はずるいよね」

 誰にもバレないで。

「あぁ、ボクは愚か者だ」

 無意識に無理だと決めつけている。


 もしもその場でメタモルフォーゼ

 きっと他人はどう思うんだろう

 その姿を想像しただけでも恐ろしいな

 もしもそうしてメタモルフォーゼ

 きっと他人は知るんだろう

 本当のワタシを。

 その未来を想像するだけでため息出るな



 桃色の派手な髪色

 モノトーンの色じゃ不満だ

 変化はできずに目を瞑った

 ボクは本当は表現したい


 桃色と青色の間

 モノクロの壁があるんだ

 移動はできずに心荒んだ

 心は本当は向こうの住人

 XとYとの関係

 産まれた時に決められたんだ

 勝手に決められただけなんだ

 今となって苦しんでる気持ち



「はぁ、君はずるいよね」

 拘束されないんだから。

「あぁ、自由になりたいよ」

 想像力がボクを縛っているんだ。


 もしもその場でディタミネーション

 きっと他人はどう思うんだろう

 そういうの思っただけで取り下げてるの

 もしもそうしてディタミネーション

 きっと他人は知るんだろう

 本当のワタシを。

 その未来を想像して諦めているんだよね



 そんなボクは「妄想病」

 今日もまた妄想をするだけ



 また変われなかったな──

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