Another Face 〜もう１つの顔〜

第12話 デート 〜 私達の絆 〜

ある日の事。

お兄さんと零次は話をしていた。

「零次」と兄・真那渡。

「何？」

「彼女、友花ちゃんとは、うまくいってるか？」

「は？何を言い出すかと思ったら、そんなの当たり前じゃん！」

「そうか」

《あの事…まだ話してないのか…？》

「何で？」

「いや…」

「まさか！兄貴、アイツの事…」

「えっ？いや、そんな弟の彼女を、略奪しようとは思わない。確かに美人だし申し分ない…」

グイッと胸倉を掴む零次。

「おい、おい。カッとなるなよ！安心しろ！」

バッと離す。

「彼女に変わった様子は？」

「は？ねぇよ！…ただ…最近、ボーーッとしてるっていうか…その様子が目立つかな？」

「そうか…」

「つーか、さっきから何だよ！アイツの事聞いて」

「いや…気にするな！」

「………………」

「……まさか、俺の知らない所でアイツに何かあったのか？でなきゃ友花の事聞く必要ねーよな？」

「……愛する女性の事になると本当熱くなるよな〜。俺の口からは言わない。いや…言えないな。本人に聞いたら良いだろう？」

「…つまり…それって…何かあったって事だよな？」

「………………」

数日後。

その期間、妙に零次の視線を感じていた。

そして、学校帰りの事だった。

「なあ、お前さ、俺に何か話す事ない？」

ギクッ

「えっ？話す事？ないよ！」

「ふ〜ん…」

《どうしたんだろう？急に…》

《最近、妙に視線感じてはいたけど…》

「そっか。だったら良い。なあ、今度さデートしようぜ！」

「えっ！？あ、うん…」

「勿論、Ｈ付きのデート♪」

「…うん…つーか、改まって言わなくても良くない？」

「いや、女の子の日だったら出来ないから」

「あー…でも…わざわざ言わなくても…」

「良いじゃん！」

私達は色々と話をしながら帰った。

週末、デートの当日。

零次と待ち合わせをしていた。

その間。

「ねえねえ、彼女一人？」

声を掛けられた。

「えっ？あっ！いいえ、私、連れが…」

その時だ。

「なあ、あんたら俺の彼女に何か用？」

「えっ？あっ…いや…」

彼等は足早に去った。

「ごめん…私…」

「どうして謝るんだよ」

「だって…」

「仕方ないじゃん！お前、美人なんだから」

ドキッ

「えっ…？」

「……………」

スッと私の手を握ると恋人繋ぎをし、私達は歩き出す。

「クスクス…その素直な反応、可愛すぎだから。正直、俺、毎日不安なんだからな！」

「えっ…？不安？どうして？」

「そんなの当たり前じゃん！美人だし、過去が過去だから色々あったわけだし、それを目的で連れて行かれたりしないかな？って…さっきもナンパされてたわけだろ？」

「……零次…実は…その事で…私…」

「………………」

グイッと手を引っ張ると足早に路地裏に連れて行くと、私を隠すようにキスをした。

「今は聞かない。後で…聞かせて欲しい」

「…零次…」

グイッと抱き寄せる。

「無理に聞き出しもしないし、聞こうとしないから。友花の口から、ゆっくりで良い。話してくれれば良いから」

オデコにキスをすると、抱きしめられ、私は零次をぎゅうっと抱きしめた。

「さあ、デート続行！」

「…零次…うん…」

私達はデートを楽しむ。

その日、零次の部屋に行った時、零次は背後から抱きしめる。

「…一体…何があったんだ？最近の、お前の様子、凄く気になっていた。正直に話して欲しい。でも…無理に聞き出さないから、友花のタイミングで良いから。話したくないなら話さなくて良いから」

「………………」

零次は振り返らせるとキスをした。

再びキスをすると、深いキスをする。

私をベッドに乗せ、優しい重みを感じながらも、首筋から鎖骨に唇が這う中、私は身体に力が入る。

あの時の光景が蘇るからだ。

「大丈夫か？辞めようか？」

私は零次に抱きつく。

「お願い…続けて……。……でも……零次…私ね…過去の事を噂で聞いていた人達からレイプ(強姦)された身体なんだ…」

「……………」

「今更って思って…だから…零次との…約束破ったから…汚れた身体なんだ…ごめんね…」

私は抱きついた体を離すと、零次を押しのけ帰り始める。

「友花っ！待てよ！」

足を止めるも

「……私は…もう…裏切っちゃったから…零次の彼女に相応しくないから…ごめん…！」

私は部屋を出て行き始める。

グイッと腕を掴まれ壁に押し付けると、キスをした。

「勝手に決めんなよ…！」

「…だって…私は…」

再びキスをし、深いキスをすると、足元に洋服がスルリと落ちる。

「何があっても、俺はお前の彼氏だ！」

「…零次…」

「俺達の絆は切れたらいけないんだよ！友花」

「…でも…私…」

フワリと抱きかかえられ、お姫様抱っこされ、ベッドにおろすと私を両手を押さえると股がった。

「…辛かったろ？」

「……………」

「…お前が無事なら…それで良いから…」

私は零次に抱きつく。

私達は１つになるのだった。

「お前は、一人じゃないから…。何があっても、俺の傍にずっといろ！友花…愛してる」

零次は、キスをすると深いキスを何度も何度も角度を変え繰り返した。

「お前は、俺の一生の女」

それから、その後、私達の関係は相変わらずで毎日、過ごしていた。

私達は、これからもずっと一緒だよね？

〜　Ｅ Ｎ Ｄ 〜