第4話
「え…誰!?というか可愛い…」
???「なっ!誰って、まだ寝ぼけてるの!?マウナよ!
早くしないと、仕事に遅れちゃうじゃない!急いで!」
「マウナ…そういえばさっきイツが教えてくれた中にいたような。」
マウナは私の同期で、同じイミの仕事をしている。小柄で可愛い顔立ちをしており面倒見もよく、自分に正直な女の子。
マウナに急かされつつ、準備を終えて追いかけるように部屋を出ると
期待と喜びに満ちた顔でマウナがこちらへ顔を向ける。
「今日から忙しくなるわよ!新しい子も入ってくるし、何より今年は…
レファ島の誕生から百年の祝い年だもの!マユも仕事立て込んでいるん
でしょ?全部の島を回るなんて大変だけど、楽しそうね!」
「そうだね…!楽しまなきゃだよね!」
少しの不安もかき消してくれるようなマウナの笑顔に、思わず笑顔が
こぼれた。
???「マユ。マウナ。遅刻ギリギリだぞ。
今日から忙しいんだ。先輩として、期待されている身として存分に
働いてもらうぞ。」
メガネをクイっとさせながら話す細身のこの男性は上司である
マカアニさん。イミを取り仕切るトップであり、私とマウナの教育係だった。
「「おはようございます!」」
「おはよう。早速だが二人とも仕事に行ってくれ。
リストを作ってある。それぞれ七人ずつ、期限は一年だ。大変な仕事になる。
君たちが仕事を依頼する彼らは、今年行われる3回の祝いの祭りで重要と
なってくる仕事人だ。必ず成功させてこい。」
「「はい!」」
マカアニさんからの激励とリストを渡されると、私とマウナはそれぞれの
島へ向かうため、港を目指す。
「マユ!じゃあまたね!何もないと思うけど、仕事に行き詰まったら
いつでもバドで連絡して!」
マウナはバドと呼ばれる手のひらサイズの鳩の形をした機械を持ち、
港へと駆けていった。
「この世界にもこんな機械あるんだなぁ…他にも色々…」
辺りを見渡していると、また頭の中で声がした。
「マユさん。聞こえますか?イツです。」
「イツ!待ってたよ!」
「お話しの邪魔をするわけにはいきませんでしたので…。早速ですが
お仕事…いえ、悪役探しのお手伝いを始めましょう。」
「まずは、リマ島。レストランオーナーのベルからです。」
私とイツの悪役探しが始まる。
物語の悪役探し!? 玲々 @reirain
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