第3話
「私がその悪役候補たちに会って、物語を完成させるお手伝いをする…」
この話を聞いたとき、私は正直驚きよりも喜びに満ちていた。
趣味でいろんな本を読み、本以外に楽しみがない私にとって作品作りに
携われることはとても喜ばしいことだからだ。
「イツ…私やる!本当の悪役品定め!」
「真結さん、そう言っていただけてとても嬉しく思います。」
「悪役候補は七人いるんですよね?まずは誰に会いに行けばいいですか?」
あまりの前のめりな様子にイツは驚くような、でも少し嬉しそうな声を
漏らした。
「ふふっ。協力していただけるようでとても嬉しく思います。
ですが会いに行く前に、この世界についてや真結さんのこと、その七人の悪役候補たちについてお話ししますね。」
真結は自分の言動を振り返って、少し赤面しつつイツの声に耳を傾けた。
この世界は全部で八つの島があり、一番大きなレファ島を囲むように
ヒナ島、オア島、クイ島、ラニ島、リマ島、ハナ島、シェル島が存在する。
私はレファ島の中心街にある役所で八つの島を回り、依頼された仕事の適任者を探すーイミーという仕事をしている。
そして七人の悪役候補たちはレファ島を除く七つの島にそれぞれ暮らしている。
とある仕事の適任者として、依頼しに会いにいくという流れらしい。
それぞれの職業と名前は
レストランオノリシャスのオーナー、ベル
全ての領域に
音に愛された楽器職人、サン
全てを魅了する踊り子、アス
一級品のみを扱うマーケットの首領、マモ
音域を操る声楽家、レヴィン
文明を加速させる若き技術者、ベルゴ
「今、私がお教えする情報はこれくらいにしておきます。またそれぞれに
会ったとき、より詳しくお伝え致します。」
「ありがとうイツ。そのときはよろしくね。」
話にひと段落をつけ、入れ直したお茶を一口飲む。
「よし!これからすごく大変だろうけど、生活もお手伝いも異世界ライフを
楽しm……!」
バンーーーーーーーー!!!!
???「マユ!!!!今、何時だと思ってるの!!!!遅刻しちゃうわよ!!」
ひとまず落ち着き、決意を新たにしたのも束の間
勢いよく部屋の扉が開かれ、そこには可愛らしい顔を
仁王立ちした女の子が立っていた。
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