私の本棚

信仙夜祭

私の本棚

 私は、本好きだ。

 読む本は、決まってないが、漫画と小説が割と好きかな。技術系の専門書も多いかもしれない。それと、参考書だ。

 今は、"小説の書き方入門"に嵌っている。

 同人誌なんかも面白かった。多少高いが、商業誌にはない面白さがある。


 『面白い』と思えたタイトルは、とりあえず読む。

 冒頭だけでも、読んでみる。

 そして、『欲しい』と思えたら、購入する。

 「なにを当たり前の事を言っているのだろう?」とか思われていそうだけど、私は本棚が埋まるまで買い続ける癖がある。

 年に一回は、断捨離しないといけないくらいには、購入しているんだろうな……。

 親からも注意されて、古本屋に売りに行く事もあった。目障りだったのだろう。

 それと、引っ越しの時かな。ペットボトル用の段ボール数箱分となる量を運んだ。普通の段ボールに本を詰め込むと底が抜ける事があったのだ。丈夫な段ボールでの運搬を学んだ。


 もう読まない本も多い。特に参考書だ。

 20年前の技術に関する資料など、何の役にも立たない。

 分かっているけど、捨てられない自分がいるのも事実だ。


『また、何処かで使うかもしれない』


 そう思って、埃を被っていた本を取り上げた。


「仕事も変わり、もう読む機会もないけど、どうしても捨てられないんだよな……」


 私の得た知識は、この本を読み返せば思い出せる。

 だけど、手放すと思い出せないかもしれない。もう、使わないと決まっているだろうに……。

 自分の意思の弱さを感じるな……。


 最近は、電子書籍が購入出来るようになったけど、正直頭に入って来ない。

 私は、古い人間なので、"紙ベース"でないとどうしても慣れない。

 それと、タブレットを長時間見続けるのは、目にとても負担がかかる……。


 どうしても、紙ベースの本を読みたいという欲求を捨てられないでいた。


 だが、私の本棚にも限界はある。

 ため息を吐いて、数冊を束ねて紐で縛った。

 これらは、古本屋に持って行っても数円だ。もしくは、引き取っても貰えない。そんな本に私は愛着があり、数年間持ち続けた。

 世間一般には、ほとんど価値のないモノであっても、私には宝物だったのだ。

 手放したら、二度と手に入らないモノでもある。


「資源回収かな……」


 私は、縛った本を持って玄関を出た。



 本棚の一段に空きが出来た。

 その空間を虚無に見続ける私がいる。


「埋まってないと、落ち着かないな……」


 私は、新しい出会いを求めて、本屋へ向かった。

 別れは済んだんだ。

 新しい出会いを求めようと思う。


 今の時代であれば、立ち読みは出来なくても電子書籍で『試し読み』が出来る。

 新刊を見に行く。


「見慣れないタイトルだな……。今日はこれを、試し読みしてみるか」


 タイトルをスマホに記入して、本屋を後にした。

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