舌先に滲む血
月曜日の憂鬱なのか、睡眠不足で起こる憂鬱なのか、春の憂鬱なのか分からない。とにかく気分が重くて、感情が使い物にならない。朝はいつも通り仕事をした。18時過ぎに仕事を終えると、そのあと眠るまで何をしていいか分からない。何に対しても興味が薄くなった。LINEの返信も億劫になって、アプリを開くことは減った。前までどうしていたっけなと思い出そうにも、上手く思い出せない。
PCやスマホを見すぎて、ほんのり頭痛が続く。飲んでいる薬も、思うように効果が出ない。嫌なことばかりが続く。誰にも話せなくて、ここに書き連ねてしまう。香水をつけると気分が少し良くなるので、今はそうしている。ここ最近は、涙もろくもなった。心の琴線が、昔より繊細になったような気がする。今日は食事中に舌を噛んで、少し泣いた。自転車で、ひと気のない道を走りたい。それだけで少し、救われるような気がする。
来月、彼女に会ったらその場でむせび泣いてしまうような気がする。一人でいると心許ない東京でも、彼女がいればいつもしゃんと立てる。ここにいていいんだと思える。
数時間前に噛んだ舌先がまだじんわりと痛む。
今日こそは、早く眠る。
序章、生活 透 @ltyou__
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。序章、生活の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
飯!メシ!めし!/鴻上ヒロ
★3 エッセイ・ノンフィクション 連載中 2話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます