hangover(メンタル)
夜は恋人と電話をする。2時間ほど繋いでいたけれど、話していた時間は1時間ほどだったような気がする。26時に就寝。朝はきつかった。
夢に中学時代好きだった人が出てくる。笑顔が脳裏に貼り付いていて、ここに書いて消化しないと気がおかしくなりそう。今でもワインレッドの車はまだ怖くて、ヒールの音で動悸が少し荒くなる。夢の中でまで、柔軟剤の匂いを感じた。この狭い地元ではどこで会うか分からなくて、外に出ると疲れる。中学校を卒業して、約9年は経った。いつまで経っても、自分で自分の呪いをほどくことができない。じっとりとした嫌悪が、また背中に覆いかぶさってくる。音楽室の一面に敷き詰められた緑のカーペット、春は窓を開けると桜の匂いがした。無理やり閉じ込めていたものまで鮮明に思い出してしまって、身動きができない。早く遠くに行って、安心したい。
母に「私たちがもし認知症とかになって、物覚えがひどくなったら面倒見てね」と言われる。サーと血の気が引いていくのが分かった。僕の生き方を否定し、なにかと文句を言ってくる母の面倒なんて見れるわけがない。両親が老後を迎えたら、東京から地元へ帰って来いというのだ。両親はそれが当たり前だと思っている。昔から、僕の未来を容易く壊して、自分たちのものにしていく。敷いたレールの上を歩かないと、叱られる。父は「こんな奴に面倒なんて見てもらいたくない」と言う。僕は、もう少し大人になった先の未来が怖い。
1人の時間が欲しいと愚痴る母に、心の中で「僕も、あなたの機嫌を気にしなくていい日がほしい」と言う。「4月には東京に帰るから、もう少し我慢してね」と言葉にする。ずっと、息継ぎがうまくできない水泳をしているようで、苦しい。
明日、飛行機のチケットを買う。
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