鉛を引き摺る

8時15分に起床するのでさえしんどい。体が鉛のように重くて、前日なんで早く寝なかったんだと毎日思う。明日もきっと、そうやって文句を垂らすだろう。


今日はこたつに突っ伏してうたた寝をする暇もないくらい(いつも気づいたら突っ伏して寝ている)、忙しかった。書いているものを5つ終わらせる。脳みそフル回転で燃えていると、気づいたらお昼。ホットケーキだった。昔、彼女とホットケーキを作って、その上にバナナやらアイスやらホイップクリームをのせたことを思い出して、思わず口元が緩む。食べ終わった後は、散歩に行く。外は快晴で、風はやや強くて少し冷たかったけれど、日光は暖かい。梅の木の下で、すうっと深呼吸をすると、花の匂いが肺いっぱいに広がっていく。菜の花もたくさん咲いていた。近くの大学から、ピアノやフルートを奏でる音が聞こえる。なんだか春すぎて、くらくらした。


15時過ぎに仕事がひと段落する。うー、と言いながら伸びをすると、この世の快楽を全て集めたような気持ちよさだった。身体を真横にぐるんと捻ると、背骨がバキバキと鳴る。これをやるたび、いつか骨が外れそうでドキドキする。どういうメカニズムで骨が鳴っているんだろう。やや気になる。


夜は特に何もしていないので、すっ飛ばす。


彼女が買ったばかりのシャンプーとトリートメントを試してサラサラになったと、感想を送ってくれた。1秒に1個売れているらしい。そんなわけあるかい、と心の中でツッコむ。




早くサラサラの髪を自慢してくる彼女を見たい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る