きいろいゾウ

きいろいゾウを観る。登場人物全員が優しくて、春のよく晴れた日のような気分になる。そして、そのあまりの優しさにぼたぼたと泣いてしまう。涙が枯れるくらい泣いて、疲れ果てながら、今この日記を書いている。


劇中のムコさんの日記は手書きだ。僕も最初はそうしていたけれど、母親がその日記を泣きながらチェックするようになってやめた。あの時ぐしゃぐしゃになった日記は、捨てられたゴミの中でも、一際よく燃えただろう。


祖母が天国に行ってしまってから、楽しいと思うこと、幸せだと思うこと、それら全てが許されていないように感じる。祖母に、全然やさしくできなかった。祖母を一人にさせてしまっていた。そんな僕が、これからも笑って日々を過ごしてもいいのだろうか。亡くなってから、祖母の好きだった食べ物を供える自分が腹立たしくて、恥ずかしい。こんな孫がいて、本当に嫌だったろう。一日一日と、進む足が重い。


今日はこれ以上、書くことができない。

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