第2話 私の中の他人


 この話は、実話ですので、皆さんが期待なさるような面白い、成り行きも、盛り上がりも無いかもしれませんが、お許しください。


 私は、小さい頃から多少霊感がありまして、そのせいで、学生時代はアパートを、何度か引っ越す羽目になりました。下見に行った時に気づけばいいのですが、何せ霊感と言っても、テレビでやっているように、直ぐに空気を読み取れる訳ではないので、暫く住んでから妙に気持ちが悪い日が続くようになって、「さては、霊の仕業だな」と思い当たるのです。


 例えば、寝ている間に部屋のレイアウトが少し変わっていたり、消したはずのパソコンがつけっぱなしだったり、冷蔵庫の扉が開いたままだった時は夏だったので、結構な損害でした。それで、いよいよ耐えられなくなると引っ越すと言う訳です。


 ある時、車庫に入れておいた車のエンジンがかかったままだったのには驚きました。何故なら、私は以前、リレーアタックという方法で車の盗難に遭い、お気に入りの新車を盗まれた経験から、鍵は玄関には置かず、電波遮断ボックスに入れて、枕元に置いているからです。ですから、施錠した車のエンジンをかけられるはずがないのです。


 そこで、私は恐ろしくなり、電波遮断ボックスにガムテープを幾重にも貼り、更にその上から、結束バンドで留めて、いつもの様に枕元に置いて、眠りに着きました。

次の朝起きてみると、 枕元のボックスのガムテープは破かれていましたが、結束バンドは役目を果たしたようで、鍵は無事でした。 ふと、指に痛みを感じ、自分の手元をみてみると、私の手からは血が滲み、爪は何かを引っ掻いたように、ひどく削れて、剥がれてもいました。


 という音声をSNSに投稿してあったのですが、全く入れた記憶がないのです。

それに、この声も何だか微妙に私じゃないように思えて。 

腑に落ちないのは、投稿された日にちにです。だって、この日私は自動車事故を起こして病院に・・・・・・


音声アプリスプーンのキャスト機能に、音声化したものを投稿しております。

文章と多少違っている場合もございますが、何卒ご了承くださいませ。


https://www.spooncast.net/jp/cast/3941059

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恐怖シリーズ 欠け月 @tajio10adonis

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