第17話 綾乃ご乱心


少し白石克己の視点が入ります。ちょっと気持ち悪いかも。


――――――


白石克己視点

 俺は、友人と二学期始めの日、改札を出るとこの辺じゃ見かけない可愛い女の子が歩いているのを見かけた。同じ高校の制服を着た男子生徒と手を繋いで歩いている。


 一緒いる仲間の女の子に誰だと聞くと一学期の時、図書室で公開告白をされた子だという。


 今まで気づかなかったので聞いたら、ついこの前までは誰も気づかない位の目立たない子だったと言っていた。


 俺は、それを聞いて図書室に行って見た。受付に本人が座っている。横に朝一緒に手を繋いでいたうざそうな男子がいるが、そいつと仲良く話していた。


 目立つように下校の予鈴が鳴りぎりぎりの所で本の貸出を依頼したら、俺の顔を見てぽかんとしていた。


 返却がてら、読んで感想を聞かせてくれと言ったら分かりましたと言ったで軽いなと思ったら、後で言い間違いだと知らされた。

 

 だけど一回位話をしてみたい。Aクラスにいるカースト上位の石原幸奈に彼女をつれだせないかと頼んだら条件付きで頼まれた。まああれだ。


 それから一週間後の放課後、幸奈は高橋さんを連れてカラオケに来た。早速話しかけたがどうも慣れていないらしい。


 仕方なく何回かのカラオケの後、二人でデートする約束を取りつけた。俺も結構モテる方だ。簡単に落ちるだろうと思ったが中々固い。


 やっとクリパの時帰りに一緒だから送って行くと言ったらなぜか簡単に体を許した。驚いたことに初めてじゃなかった。それも凄く積極的だ。


 後は簡単だった。誘えば必ずやらせてくれる。相当に好きなようだ。胸は小さいが透き通るような体と敏感さなんとも言えなくて、そして色々な事を要求したが全てしてくれたしさせてくれた。


 聞いたら今付き合っている水森とはそこまでしていないという。俺は笑いそうになってしまった。最近は図書室を休んでも俺に付き合ってくれる。相当好きなんだと思った。


 二年生の始業式の日も流石にだめかと思って誘って見たら、水森の誘いを断っても俺と会った。それも彼女の家のある駅まで送らせた後だ。


 その後、ホテルでしている時水森から電話が有った。あいつは今まで何も無かったかのように直ぐに電話に出た。


 水森が会いたいという事に彼女は断りを入れたがその理由が疲れていると理由だ。当たり前だそれまで既に三回も済ませている。


 でも彼女の彼は水森で俺は友達だという。馬鹿な女だ。楽しむだけ楽しませてもらえばそれでいい。しかし水森も可哀そうな男だ。俺には関係ないが。



…………。

元に戻ります。




 始業式が終わって普通に授業が始まった。俺と綾乃は毎朝、駅の改札で待合せて一緒学校に行く。


 別のクラスだから下駄箱で別れるのは辛いけど、昼食は一緒に食べている。

「綾乃、最近家のある駅まで送らないけど大丈夫?」

「うん、私が明人の彼女だってみんな分かり始めたみたい。だから一人でも安心して帰れる」


「そうか、それは良かったね。そう言えば今でも女の子達と会っているの?」

「ううん、もう誘われなくなった。ちょっと寂しいけど。いいよ明人いるから」

「そうか、そう言ってくれると嬉しいよ」


「ねえ、今日の図書室担当なんだけど明人一人でいい?」

「えっ、良いけどどうして?」

「うん、家で用事が出来ちゃって」

「そうか分かった」

 綾乃の家はちょっと難しいみたいだから色々有るんだろうな。


「そう言えば綾乃もうすぐGWだよね。どうしようか?」

「明人ごめん、一日だけ空いている。後は家の用事で」

 顔の前に手を合わせて済まなそうな顔をしている。


「仕方ないよ。じゃあ一日だけね」




 放課後、俺は一人で図書室の鍵を図書室管理の先生から受け取り図書室に向かった。


 綾乃がいないとつまらない。常連だけだ。貸出返却もほとんどない。綾乃目当ての男の子達も綾乃がいないと分かると直ぐに帰る。

 仕方なく俺はその日の復習をやっている。


 最近俺が当番の日は綾乃は用事が有るという事で先に帰る事が多くなった。


 でも土曜日の放課後は綾乃と会える。有った日は必ずした。でもちょっと気になる事も有った。今までお互いした事もない事を綾乃がする。聞くとちょっとしてみたかったと言うんだけど。慣れている様な感じで違和感が有った。


 日曜日綾乃は用事があるという事で会えない日が続いている。何かあったんだろうか。


そしてGWもデートだけして終わった。何故だろう。あれほど好きな子なのに?


その代わり中間テストの試験勉強は一緒にやれた。


「明人、今回は一緒に一位目指そうね」

「うん、でも厳しいよ」

「駄目だよ。一緒に名前載せようよ」

「分かった頑張る」


 久々に毎日会えた。隙間でちょっとした。


 中間テストの結果は


 一位 高橋綾乃

 二位 水森明人

 三位 白石克己


「明人やったね。もう少しで一緒だよ」

「うん、期末頑張るから」



「不思議ね、まだあの二人仲いいんだ」

「しっ、声大きいよ」


 あの子達何言っているんだろう。


教室に帰りながら

「綾乃明後日の土曜日の放課後と日曜日会えない?」

「明人土曜日の放課後はいいよ。でも日曜日は家の用事で」

「そうだったね」

 用事の内容は綾乃から言って来るまで聞かない事にした。綾乃の家庭の事だから。


 土曜日の放課後

「明人の家に行きたい」

「うん、いいよ」

 理由は分かる。俺も同じだ。


 俺の家まで着くと玄関を上がって自分の部屋に来た。今日は誰もいない。

「綾乃ベッドに座っていて」

「うん」


 俺は着替えると綾乃の側に座った。


「明人」



…………………。



 やっぱり明人がいい。白石君は上手いけど明人と肌を合せていると本当に心が安らいで幸せな気分になる。

 でも明人は優しい。知ってしまうと別の事もして欲しいけど明人に言えるはずがない。

ごめんね明人。でも大好きだよ。



 俺達は午後五時まで家にいてそれから綾乃を家の有る駅まで送って行った。


「明人明日会えなくてごめんね」

「仕方ないよ。もし会えたら電話してくれても良いけど」

「うんありがとう」


 でもその夜綾乃から電話は無かった。前だったら会えなくても電話くれたのに。


―――――


 綾乃ちゃん駄目だよ。


次回をお楽しみに

 

面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価頂けると投稿意欲が沸きます。

感想や、誤字脱字のご指摘待っています。

宜しくお願いします。


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