蒼くて白い彼女に灼かれて僕は
鳥辺野九
灼け
新緑も野山にこなれる
生まれたばかりの太陽はまだ山の
鋭い角度の陽の光が刺さるようで
「
彼女の白い首筋を
ふと、彼女が視線を上げるのではないか。僕はひとり動揺した。僕自身の目線の行方を彼女に悟られやしないか。
そうさ。
つい今まで僕の影の中にしゃがんでいた彼女が太陽の下に晒された。さらに暑そうだ。
「ええ。気持ちの良い暑さです」
彼女はりんと鈴を鳴らすように言った。
「そうですか」
そう答えるしかなかった。
さらり流れる透き通った水は彼女の手を避けるように歪み、
彼女の白い手が
暑い太陽が悪いんだ。眩しく照り付け、僕の目線と意識を根こそぎ奪う。
「志下ちゃんはこの
僕は地面に咲く竜胆の
「私は未だ蒼くはありません」
「いいえ。君はとても蒼い」
ぷつり、濃ゆく尖った
「この蒼のように、僕を染めてほしい」
「私が、ですか?」
「君が、です」
彼女の少し迷いが含まれた音に、僕はときめかずにはいられない。
「いいんですか?」
透明な水を
「君がいいんです」
まただ。声がざらついた喉を上手く越せない。
「わかりました──」
彼女はつと立ち上がり
作家「どうよ? 焼き鳥食べたくならね?」
編集「サブリミナるな」
作家「無意識に焼き鳥を求めるカラダにしてやんよ」
編集「うるせえ。サブリミナってんじゃねえよ」
作家「……ヤキトリ」
編集「灼くぞ」
焼き鳥
蒼くて白い彼女に灼かれて僕は 鳥辺野九 @toribeno9
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