私を追放した有名パーティーがランクを一気に落としたようですけど、こちらはまったく気にしません
仲仁へび(旧:離久)
第1話
私は冒険者。
以前は、とある有名パーティーの一員だった。
過去系である。
ほんの一か月前まではそうだったけれど、今はそうじゃない。
もう別のパーティーの一員だ。
どうして追放されたのか?
それは、私が「使えないお荷物」だったから、だそうだ。
活躍がぱっとしないから、仕事してない人間だと思われたのだろう。
あと、仲間と比べて紙のような耐久性だから、お荷物認定されてしまったのだと思う。
あのパーティーは肉体派が多かったし、その人たちが幅をきかせていたからかもしれない。
前パーティーのリーダーからは、「お前を守りながらだと、先にすすめないんだよ。だから邪魔なんだ」と言われてしまった。
私の得意分野は、支援魔法なのだから、彼等より体力がないのは当然だ。
だから、そこのところは分かっているかと思ったのだが、不満があったようだ。
「お前はもう俺達パーティーの仲間じゃない」
それなら仕方がないと「今までお世話になりました」と言って、そのパーティーから大人しく追放されたのだった。
私がいたパーティーはSSランクの有名パーティー。
だから、次のパーティー探しで困る事はなさそうだという点で、あっさり引き下がったのだ。
今は、Bランクパーティーにいる。
そのパーティーは一週間ほど前までは、Cランクだったが、Bランクがあがったのだ。
自慢じゃないが、SSランクパーティーにいた経験が生きたのだろう。
私から今の仲間に色々なアドバイスができたと思う。
後は、今のパーティーメンバーは向上心が高い人達が多いので、その点もあるかもしれない。
冒険者としてやっていくなら、一人より二人。
パーティーを組む事が大事。
そして、ランクを上げていく事もかなり重要だ。
ランクを上げれば、経験がある事の証しとなるし、実力がある事の証明にもなる。
だから、色々な依頼を受ける事ができるようになるのだった。
そのため、今の意欲にあふれているパーティーメンバー達は、積極的に仲間を募集し、成長を続けていた。
そういうわけで、私は今のパーティーで、特に不自由なく活動している。
前パーティーでは紙装甲の汚名を着せられていた私だが、今のパーティーでは耐久力がある方。
彼等のお荷物になる事はなかった。
このままランクが上がっていったら、彼等がどう思うかは分からないが、今気にしていてもしょうがない事だ。
そう思っていたら、パーティーメンバーの一人が「これからもずっといてほしいよね」と、他のメンバーと話していた。
「こんなに優秀な支援魔法員は他にいないよ」と返答。
彼等は私の事を話しているらしかった。
「縁の下の力持ちっていうか。後ろで控えてくれると安心する」
「そうだね。ささえてくれる人がいるから、前で戦っている人間は頑張れるんだ」
前言撤回。
きっと仲間の彼等なら、このまま強くなってもメンバーを切り捨てる事などしないだろう。
「それより聞いた? 例の有名パーティー。ランクダダ下がりだって。一体何があったんだろうね?」
「そんなの決まってるだろ。まったくいい人材を手放したもんだな」
そのパーティーは私が元居たパーティーだ。
私がいなくなった後、仕事で失敗ばかりをしていたので、ランクを落とし続けていると聞いた。
たまに彼等とあうと、恨みがましい目線を送ってくるけれど。
私は特に気にしなかった。
今の状態に満足していると、仲間にも不満がないからだ。
私は、これからもこのパーティーにい続けるだろう。
私を追放した有名パーティーがランクを一気に落としたようですけど、こちらはまったく気にしません 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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