一発逆転を狙って、女性四人で麻雀勝負しています!

!~よたみてい書

胸が焼けるような戦い

 白髪の女性は眼前の卓を見つめ続けた。


(はくはつちゅんはくはつちゅん!)


 白髪女性は十八歳前後の容姿をしていて、身長は約百五十五センチメートル。前髪を眉まで伸ばし、後ろ髪をうなじで綺麗に切り揃えている。目尻はやや下がっていて、青い瞳を宿していた。白い衣服を身に付けていて、胸部に小さめの膨らみを作っている。


 正方形の卓の上には沢山の小さい長方形の電子牌が並べられていた。中央の四方向には表向きでいくつか牌が並べられていて、卓の四隅には十三枚の牌が外側に向いて並んでいる。


 そして、女性が四人、卓を囲むように椅子に座っていた。


 東側には青髪の女性が眉をひそめて座っている。


 青髪女性も十八歳くらいの姿をしていて、百六十センチメートル程の身長をしていた。肩と同じ高さまで後ろ髪を下ろし、前髪を目の上まで垂らしている。目尻はやや垂れていて、赤い瞳をしていた。


 また、西側には赤髪の女性が微笑みながら座っている。


 赤髪女性は二十歳程の容姿をしていて、百六十センチメートルくらいの身長だ。前髪を額に垂らし、後ろ髪を後頭部でまとめて大きな尻尾を作り上げていた。青い瞳を目に宿し、目尻は吊り上がっている。


 それから、南側には黒髪の女性が真顔を貫いていた。


 黒髪女性は二十代前半の見た目で、身長約百五十センチメートル。後ろ髪を背中まで伸ばし、前髪は目の上まで垂らしていた。目尻はやや吊り上がっていて、黒い円が目に刻まれている。


 青髪女性は椅子のひじ掛けに備わっている液晶画面に指を押し付けた。


(イーピンは安全かな……?)


 東側の卓中心に、円が一つ描かれた牌が追加される。


 一方、白髪女性は眉尻を下げながらサイドテーブルに置かれていた焼き鳥を手に取った。焼き鳥の表面は黒茶色い液体が光を反射させている。それから、素早く串に刺さった鶏肉を口に運んでいき、『ぎゅう……ぎゅう……』と口を動かしていく。


(大三元だいさんげん成功させたい……あっ、もも肉美味しいっ!)


 赤髪女性は笑みを浮かべながらひじ掛けを操作した。


(ぺーいけるか? 怪しいけど、頼む!)


 卓中央に、【北】と刻まれた牌が並べられていく。


 卓の南端に並べられた牌の横に、新しく牌が一個表示される。牌の表面には細長い棒が三本描かれていた。


 微笑みながら液晶画面を優しく押していく黒髪女性。


 そして、卓の四隅に【カン】という文字が表示された。


 すると、南卓に細長い棒が三本書かれた牌がみんなに見えるように四つ並べられる。


 白髪女性は目を見開きながら南卓を見つめた。


(うわっ! カン来た!? ……うん、はくはつちゅんまだ大丈夫、よかったぁ)


 青髪女性は目を細めながら南卓を眺める。


(ソーズのカン……私には関係ないね)


 眉尻を下げながら硬い笑みを作る赤髪女性。


(頼むっ! 何も起きないでくれ!)


 そして、再び南卓の隅に新しく牌が一つ新しく表示された。表には【七】と描かれている。


 黒髪女性は笑みを浮かべながらひじ掛けを勢い良く押す。


嶺上開花りんしゃんかいほう!」


 それから、南以外の卓が、南卓に並べられた牌と同じ物が表示される。


 青髪女性は顔をしかめながら呟く。


「くっ、やられた!」


 眉尻を上げながら語気を強める赤髪女性。


「そんなレアな役はあり得ない! 不正だろっ!」


 黒髪女性は引きつった顔を作りながら小首を傾げた。


「電子麻雀で不正は難しいと思いますが……」


 赤髪女性は頭を抱えながら頭を下げる。


「うぅー! ……でも、今はそんな事より」


 微笑みながら白髪女性に視線を向ける青髪女性。


「一度も役完成アガってない人が一名」


 黒髪女性は肩をすくめながら白髪女性を見つめた。


「カクヨムちゃん、こんな時もありますよ」


 カクヨムと呼ばれた白髪女性は椅子から立ち上がり、扉まで駆けていく。


なんてイヤだよー!」


 目から小さなしずくをこぼしながら、扉を勢い良く開けて出ていくカクヨム。


 そして、カクヨムは体をとても大きな鳥に変化させていった。


 大きな鳥は全長十メートル程の姿をしていて、全身は白い炎に包まれて輝いている。それから、翼と尻尾が綺麗な青で染められていた。


 大きな鳥は両翼を羽ばたかせていき、勢いよく空へ飛んでいく。


 青髪女性は窓を見つめながら呟いた。


「フェニックスモードで逃走……」


 赤髪女性も窓を見ながらたじろぐ。


になったからって、逃げなくてもいいだろ」


 硬い笑みを作りながら肩をすくめる黒髪女性。


「フェニックスモードになるほど、真剣に挑んでいたのでしょう」


 卓上の牌が綺麗な光を放ちながら存在を示していた。

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