第5話ドキッ!通じる心ww
アイス「今の何?」
アイスは前部隊の記憶らしきものを見ていたのである。アイスは周りを見渡す。どうやらこの場にいないキリアス以外のメンバーは同じものを見たかはわからないが何やら動揺している様子であることに気づく。その中で一人興奮したように叫ぶ者がいた。
トム「今のは前部隊の記憶なのか!?面白い!やはり、この場所、南極大陸には何かあるのだろう!この年になってもワクワクが止まらないな!」
「この年にもなって」とは言っているが初めの自己紹介の暑苦しさからそういうことには興奮しそうな人だと皆がわかっていた。それ故、そこには突っ込みを入れずに皆が同じ光景を見たことを確認したのである。
扇「実は僕も見たんですよね。この感じ、皆さんも見ている感じでしょう。突然の前部隊の記憶、トム君の意見に賛成するのは嫌ですが「嫌とはなんだ!」…ここには何かあるのかもしれませんね。ちなみに、これは知的好奇心なのですがソロモン君、医学的観点から見るとこういうことはあるものなのですかね?」
扇はあくまでも冷静に今の状況を分析をしているように見える。しかし、その行動原理は知的好奇心によるものである。確かに、知的好奇心というものは人間であればだれもが持っているものだろう。だが、彼女の場合、少し違うように見える。
ソロ「そうだね、僕は精神科ではないからそこまで詳しいわけではないけど、感応精神病というものが存在することから、もしかしたら可能性はあるのかもしれないね。ただ、確か…この病気は条件として僕たち自身が親密な関係を持っていないと成り立たないはずなんだ。そういう意味では僕たち自身は異常な状態ではないとは思うんだけどね」
ソロモンはこの奇怪な現象にも持ち前の医学知識で考えてはみたものの、どうやら欲しい解にはたどり着けないでいた。ただ、有名どころの病気は抑えていたので病気ではないと結論付けたのである。
ソロ「もしかしたら、僕たちは全員小さいころに会っていて、仲が良かったのかもしれないね。もしくは相思相愛なのかも」
ソロは冗談交じりにそう呟いた。
アイス「やー!僕たち相思相愛!」
トム「実に素晴らしい!愛!実にいい!」
ノリのいい二人なのであった。
扇「神秘的な経験というわけですね。まあ、僕は別にあまり冗談を言う人ではないのですがここは流れに乗って…I love you!」
などとふざけていたらキリアスがいつからいたのかわからないが彼らをかわいそうな目で見ていた。そう、この表情は仲のいい友達にボケをかましってやったがあまりそういうことに興味がなく、ただこの日と大丈夫?みたいなそんな表情である。
キリアス「…お前ら、頭大丈夫か」
キリアスに哀れに見られたのが原因か、彼らは少しの時間無言のまま、調査場所前にあるキャンプ地を目指し始めるのである。
DREAM ナルキッソス @grit
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