第八十話 或る青春の感傷的な追憶
Pereat tristitia, Pereant osores, Pereat diabolus, Quivis antiburschius, Atque irrisores! (悲しみを遠ざけよ。憎しみを滅せよ。憎しみの悪魔を滅せよ、私達学生に徒なすものを、私達学生を嘲るものを!)
(中略)
Alma Mater floreat, Quae nos educavit; Caros et commilitones, Dissitas in regions Sparsos, congregavit; (私達を育てる学びの園は栄える。教えの源。学生よ、仲間よ遠方より集まる者達よいざ旅立ち、又、いざ集え!)
――学生歌『ガウデアムス (Gaudeamus)』より。
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その後、
又、
そして
事件の後、
平穏を取り戻した
そして更に半年の時が流れ、三年生は卒業式の時を迎えた。
☾☾☾
三月、卒業式。出席する事になっているのは三年生のみだが、中には二つの意味で例外も存在する。
先ず、三年でありながらこの日を迎える事が出来なかった者達。
そして、式場となっているホールでは、
現
『続きまして、在校生を代表し、
次の式目を読み上げる小柄な少女は、現
『高等部
「はい。」
(五年前、この場所の
これ程の緊張、中学生の身で卒無く
(ええ、大丈夫。ちゃんと出来ますよ。
心が凪いだ
「卒業生の皆様、おめでとうございます。皆様が今日この日を迎えられました事、心より
三人分の席が敢えて空けられている。
「
「決してその様な事は無い、と
卒業生の中で一人、
「
だがそれでも、
「卒業生の皆さん、皆さんは
スピーチを終えた、
(ありがとう、
鳴り止まない拍手を背に、
☾☾☾
同日、
「嗚呼、
「お前は卒業生じゃねえだろ。てか、何で居るんだよ。」
「まあまあ……。」
二年生の
「
「
「もう
実際、事件が終わってからの
「なんつーか、
染み染みと語る
「そう言えば、あいつと関わって生き方というか、運命が変わったのは
「ん?」
「いや、後から聞いた話なんだけどさ……。」
「ああ……。」
「ある意味、
「そうだな。あの女も
「
「果たして、本当の魔性は
「怖え事言うなよ、
答えが何れにせよ、恐らくもう彼等が
☾☾☾
「いけませんねえ、この山道は今も立ち入り禁止ですよ、
「理事長先生……。」
背後から
「すみません。ただ、何か呼ばれた様な気がして……。」
「おー、居た居た。
「やっぱり
「全く、問題児だらけですね。」
そうは言いつつ、三人は
「この
「力そのものが失われた訳ではありませんからね。引き続き、
「そうですか……。」
「
「
「
「お受けします。何だか、誰かがそうしろと言っている様な気がするんです。」
「また?
呆れる
「それは良いけどよ、そっちは飽く迄副業だろ? 人生の本道、本命の進路はもう決めてあんのか?」
「少し考えたんですが、
「小説家か。ま、いいんじゃね? 一度切りの人生なんだから、生きたい様に生きれば。」
「
「んな大袈裟な。」
「いや、先輩の場合あながち余計な心配じゃないので気を付けて貰えると有難いです。」
「ちぇ、何だよ……。」
四人は
ふと、一陣の風が
「……また来ますよ。」
「ん、今何か言いましたか?」
『いい子ね、
立ち去る背中の向こうに、一人の美少女を模った
否、
(また、来ますよ。屹度来ます。来年の春に……。)
或いは、単なる彼の妄想、願望に過ぎないのだろうか。
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最後まで御読みいただき誠にありがとうございました。
『殺戮學園逝徒會奇譚』、どうにか完結まで漕ぎ付く事が出来ました。
元々、終盤の展開が書きたいが為に衝動の赴くままに好きな人物造形を詰め込んで書き始めた本作ですが、中々に物語を動かすのが思っていた以上に難しく、コントロールに苦労が絶えない作品となりました。
そのせいか、前作以上に苦しい事もありましたが、その分書きたかった終盤はとても楽しく、また序盤から中盤の展開を書く途上でも自分の中で何かを見付ける事が出来たとも思っています。
もしお気に召して頂けましたら、フォローや評価、感想等頂けますと感無量であります。
また、過去作や次回作にも目を通して宜しければ感謝に言葉も御座いません。
では、改めまして、最後まで御付き合いくださいましたことに心より御礼申し上げます。
殺戮學園逝徒會畸譚 坐久靈二 @rxaqoon
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