元警備員88歳

シカンタザ(AIのべりすと使用)

元警備員88歳

新人が入ってきた。47歳。警備業界では珍しくはない。

定年を迎えて、入ってくる新人も多いからだ。まぁ、新人は立たせておくのが一番いい。

無線を持たせて何か分からないことがあったら、

連絡して来いと言って、ビルの外で立哨させておいた。

折りしも、外は小雪がちらついていた。

長時間ただ立っていると、色々なことを考える。夕飯は何を喰おうか?

今度の休みは何をするか?今までの人生。これからの将来。色々なことが頭を過ぎる。

契約先の人がヒョイと顔を出して、

「外に立っている新人さん、泣いているよ。具合が悪いじゃないの?」と言ってきた。

「何だ?」と思って見に行くと、本当に立ちながら泣いている。

通行人は泣きながら立っている警備員を呆れながら通り過ぎて行く人、

怪訝な顔をする人、笑う人、反応は様々だった。

「どうした?」と声を掛けると、やや間があってようやく振り絞るような声で一言。

「つらいです。」

よくよく話を聞くと、立っている間に今までの人生を振り返り、

何で俺はここまで堕ちてしまったのか?

何で今、こんな所で罰ゲームのようなことをやっていなければならないのか?

そんなことを考えていたら、涙が溢れて止まらなくなってしまったそうだ。

結局、彼はやめた。これ以上、堕ちる場所などないというのに。


……以上がネットで有名になった警備業界のコピペらしい。私が若手の警備員だった頃からすれば考えられない光景だ。今88歳の私が若い頃は1950年代から60年代。人口当たりの殺人事件の数は今の何倍もあった。いかにもな男が恫喝してくることなどしょっちゅうだった。

戦前は知らないが、戦後は私の世代からカミナリ族だの太陽族だの集団で暴れる不良が現れだした。同世代として恥ずかしい限りだ。

今の高齢者は老害と呼ばれている。テレビやネットで醜い老人が取り上げられない日はないと言っていいぐらいだ。中野孝次の『清貧の思想』を初めて読んだときの感動したのが懐かしく思い出される。今はどうだろう。『「消費は美徳」思想のルネサンスを』という記事を読んだ。その方が良いのかもしれない。

これから日本はどうなるのだろうか。顔なじみの福祉施設の代表から「中国と戦争なんてありえませんよ。中国は日本からずっと大金もらってますからね」と言って笑っていたのが頭から離れない。戦争はいけないのはわかっているが、庶民から金を搾り取って海外の政治家に渡して平和を得るというのもおかしいんじゃないか。答えの出ない問い。

もうこの命は長くない。日本の若者には頑張ってもらいたい。どんどん気力がなくなって、外圧に屈してしまわないようにしてほしい。

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