数字系お題苦手民の頭の中を晒してみた

棚霧書生

数字系お題苦手民の頭の中を晒してみた

2022/03/14 PM12:07

 私はお昼を食べながら、KAC2022の第5回目のお題を確かめていた。

『88歳』

 このお題を見た瞬間、私は頭をフル回転させなければならなかった。以下は、私の思考の一連である。

「でっ、出たー! 数字系お題!! 何も思いつかんですわ。これは詰み」

『いやいやいや待って? 諦めたらそこで試合終了ですよ? 例えばさ、88歳のおじいさんかおばあさんが主人公のほのぼの系を書くとか……』

「ネタかぶりヤバそう没」

『あるいは奇をてらって超高齢者なのにレスラーとか怪盗やってる設定で押し切るとかさ、やりようは色々あるじゃない?』

「趣味でカフェをやってる好々爺が夜になると実は……とか?」

『そうそう! そういうのでいこうよ!』

「88歳って設定を活かしきれない予感しかしないからヤダ」

『そんなこと言ったら、今までのお題で書いた話だって、そうじゃん』

「うるせぇ!! さっきからやかましいぞ!」

『自分で自分の思考に文句つけないでよ!』

「だいたいさ〜、数字系お題って話に組み込みづらいんよ。前回の祭りのときに出された“21回目”ってお題で書いた「トトイの記録」だって文中に言葉をいれるっていう、こすい真似で凌いだのに」

『あれは苦肉の策だったよねェ……』

「俳句の季語が動くのと同じ感覚でさ、“別にこれお題の数字じゃなくてもいいですよね? 取り替え可能ですよね?” って考えが出てきてしまうともうダメ。やる気なくなる」

『リトルひろゆき乙です。じゃあ、今回のお題はパスする?』

「うーん……。参加はしたいけど、持ち玉がないからね。今回は諦めよう。代わりにさ、明日締切の料理のお兄さんリュウジさんとのコラボ企画があったはずだから、あれに滑り込めるか、今からタイムアタックするとかどうよ」

『諦めるなッ!! 俺たちにはまだエッセイという最後の手段が残っているだろう!』

「いや、お前は私だから俺たちじゃないでしょ。てかエッセイ?」

『この思考を世の中にぶちまけるドン!』

「頭おかしくなったんか? 恥ずかしいからヤダ。没」

『没没没没うっせぇ! お前が書かないなら俺が書く!!』

「まっ、ちょっ、わかった、わかったから……。エッセイって言ったらテーマとかメッセージが必要でしょ。その辺りどうすんのよ」

『知らん!!』

「は?」

『書いているうちに私か俺がなんかいい感じにしてくれるはずだ!!』

「バッカおまっ……、また何も考えずに文章書き始めたんか!? どうすんだよ、何もいい感じのこと思いついてないのにここまでで既に1000文字イッちゃってるぞ!?」

『落ち着けよ、私。こんなエッセイかエセエッセイだかよくわからんもの、どうせ誰もクリックすらせんから!』

「それもそうだ」

『納得までに0.3秒もかからないとは我ながら物わかりがいい』

「正直なところ、前のお題のコメディが頭から抜けきってないから、くだらないことを頭も使わずに書きたい」

『ああ、「伝説の勇者(笑)ニートくん」の余波がまだ残ってるんだ? わかる。俺もだもん』

「俺も私も脳みそ同じなんだから当たり前だろ」

『そうだったわ』

「お前、頭悪いわねぇ」

『その発言、ブーメランだからな。自分の頭に思いっきりぶっ刺さってるからな』

「( ゚д゚)ハッ!」

『エッセイにおいて絵文字使うなよ。邪道野郎』

「気づきをお手軽に表現したくて、つい……」

『ただでさえ、グダグダ会話文でラクしてるのにな』

「ラクじゃないよ! 辛いよ! それもこれも数字系お題を出してくるカクヨム運営のせいだ!」

『運営様に喧嘩売らないでもろて』

「スミマセンッした! 88歳になるまでユーザーやりますので、ここは穏便に!」

『何十年後の話してんのよ。さすがにテクノロジーも変わるし、デバイスも進化するから、俺らが88になる頃にはカクヨムは残ってないでしょ、ジョーシキ的に』

「ねえ、俺。今ふと思ったんだけどさ」

『なによ?』

「こうやってアホなこと88歳になっても続けてたいなって」

『重病』

「知ってるわ! でもね、88歳ってとこにちゃんと、理由もあるよ」

『その心は?』

「初めて使ったペンネーム、“ベージュ”じゃん? まあ、今も使ってるけどさ。ベージュは米寿になるまで頑張りましたって、ちょっと面白くない?」

『全然』

「ひどっ……」

『俺なら“ベージュは米寿になっても頑張ります”、がいいかな』

「うわ、気持ち悪い」

『おまいが言い始めたんやんけ。裏切んなよ』

「さて、こんなところまで読んでる人はいないと思うけど、私の答えっぽいのは出たし、そろそろお開きにしよっか」

『あなたはいつまで書いて』

「いつまで読みますか?」

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