もしも、騎士団に入ったら

四藤 奏人

もしも、騎士団に入ったら

コンビ名「フォルミード」

ツッコミ「ルー」

ボケ「ネブラ」


「どうも~、フォルミードです」


「なあ、ルー。もし俺が騎士団に入ったら、どうする?」

「ええっ!?ネブラ君に騎士団なんて無理だよ!」

「やってみねぇと、わからねぇだろ」

「そこまで言うならシミレーションしてみる?」

「ああ、頼む」


「今日からお前らの上に立つことになった、騎士団長のネブラだ。俺の命令は死んでも遂行しろ」

「ちょっと待って!いきなり騎士団長ってなに?それと、騎士団には主がいるから、例え騎士団長でも「俺の命令」とか、言っちゃダメだよ」

「知らん」

「知らんって……」

「手始めに領主の弱みを握ってこい」

「いきなり裏切りの予感!?え?騎士団に入りたいんだよね?領主の弱みとか探ってどうするのさ」

「仕えている主がクズだったら嫌だろう。本当に仕えるべき相手か見定める為だ」

「意外と真面目な理由だった」

「やはりクズだったか……」

「クズ領主だったの!?なんでそんな領主設定なのさ。普通の騎士団でいいじゃん」

「知った以上、放っては置けない。謀反を起こすぞ」

「謀反って、いきなり過ぎるよ。せめて何を知ってのか先に教えて」

「あいつは…………、浮気をしていたんだ」

「浮気?確かにいけないことだけど、それで謀反はやり過ぎなんじゃ……」

「俺の妻と浮気したんだぞ!」

「だから何でそんな設定なの!?しかも完全に私情だし。私情なのに、騎士団巻き込んで謀反起こそうとしてるし」

「俺は許さない。主だからと配下の妻に手を出したこと、命で償わせてやる。行くぞ、お前たち!!」

「ああ、どうしよう。領主が殺されちゃう」

「お前の悪事は暴かれている。大人しく首を差しだせ」

「もう領主、追い詰められてる。ねえ、ネブラ君。せっかく騎士団に入ったのに、領主が死んだら騎士団は解散になっちゃうんだよ?」

「だから妻を寝取られたまま、黙っていろと言うのか?それこそ騎士の恥だろう」

「それは確かにそうだけど……。うん、わっかった。悪いのは領主だもんね。バサッとやっちゃおう」

「もとよりそのつもりだ。領主覚悟!」

バシュッ。

「領主の首、頂いたぞ。それから、お前もだ」

「まさか、奥さんも!?」

「せめて、一思いに逝かせてやる」

バシュッ。

「……妻よ、安らかに眠れ」

「領主だけじゃなく、奥さんまで……」


「どうだった?」

「どうって、割と初めの方から騎士団は関係なくなってたよね」

「領主に女をとられるってのが、騎士団ぽかっただろ?」

「そんなレアケースの騎士団をシミレーションしても、なんの参考にならないから」

「わかった。じゃあ、今度は「男色家の領主に迫られても動じない騎士団長」やるか」

「だから、そんなレアケースほとんど無いから!もういい加減にして」


『ありがとうございました』

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もしも、騎士団に入ったら 四藤 奏人 @Sidou_Kanato

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