第7話 エピローグ



その後、私の人生は劇的に変化した。


マスターに告白をした翌日、私はすぐさま会社に退職を申し入れ、会社を辞めた後は、私はマスターの店を手伝うようになった。



生活は、お世辞にも豊かとは言えなかった。


ただ、私とマスターの間には常に笑顔があった。



「ボーナスとか出せなくて、ゴメンね」


マスターは申し訳なさそうに苦笑しながら毎日私に頭を下げるが、ココで私達二人の生活はまた一変する。


手慰みにマスターが公開していた、レシピ動画がとあるタレントの目に止まり、そのタレントが動画のくだりをテレビで発言するやいなや、マスターのレシピ動画がSNS上でバズりまくったのだ。



その結果、店は盛況。


常連客が増えると同時に、動画での広告収入も増え、私達二人は一気に経済的に豊かになった。



そして、10年後。

店はさすがに落ち着きを見せたが、動画の広告収入は未だ好調。


既にマスターと結婚していた私は、「みっつ夫婦」という名前で動画に出演する一方、日々マスターと共に店で働いている。



「バター醤油焼きうどんです!」


私とマスターを繋げた、焼きうどん。


それは今でも店の看板メニューであり、レシピ動画に至っては驚異の500万回再生を記録している。

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涙のバター醤油焼きうどん 羽馬タケル @sunbalukan

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