第104話 なでポ? そして飴と鞭


 1062年12月上旬 イタリア北部 アルベンガ離宮 ジャン=ステラ(8才)


 空と海が赤く染まり、夕日が山の向こうに沈んでいく。眺望豊かな執務室にはお母様と商人2人、あわせて3人の酔っ払い。そしてお酒飲めない素面しらふの僕。アルベンガで開催する大宴会の話をしたいのに、脇道にれてばかりで進まない。


 話を始めるための枕詞まくらことばとして、商人たちに感謝の言葉をかけたらお母様に話の腰をボッキリ折られちゃったもの。やりにくいったらありゃしない。身分社会って難しいねぇ。


 お母様も蒸留ワインを飲んじゃってご機嫌さんだけど、会合の目的を忘れちゃってるんじゃないかしら。その分、お母様の代わりに僕が頑張らなくちゃだめだよね。一応、摂政見習いだし。


「それじゃ気を取り直して、もう一度やり直すね。カポルーチェのっぽトポカルボちび、馬車20台分もの小麦を集めたこと、よく頑張りました。えらいねー、すごいよっ」


 最後はちょっと子供っぽいかな?でも僕、子供だしぃ。多分こっちの方が自然に見えるんじゃないかな。


「ありがとうございます」

 カポルーチェのっぽは謹厳実直に腰を屈める礼をする。


「このトポカルボちび、お褒めいただき嬉しゅうございます」

 もう一人の商人は、右手をお腹の前へ、左手を腰の後ろへと大きな身振りで動かし、大きく頭を下げる。頭を下げるといっても、日本のお辞儀と違うから、視線は僕の方を向いている。


 僕の目の前にトポカルボちびの頭。人をたらし込むようにニカっと笑うトポカルボはげねずみと目があった。名はたいあらわすというが、ペットみたいに愛嬌のあるハゲネズミに見えてきた。


 不思議と「いいこ、いいこ」ってトポカルボちびの頭をでたい衝動に駆られちゃう。でも、ここででしたら、礼儀的にダメ、だよね。きっとお母様にメッって怒られちゃう。


 それに万が一、ナデポでもされちゃったら目も当てられない。8歳の男の子に頭を撫でられて、ポッと惚れちゃうお猿みたいに顔くしゃくしゃのおじちゃん。それって誰得だれとく


 嫌なものを想像しちゃったので、頭をぶんぶん振って妄想を追い出した。じゃあ、お話を続けよう。


「じゃあ、やり直しも終わったから、本題に移るね。トリノ辺境伯家の家来としての初仕事だよっ。集めてくれた小麦は2台分を除き、ローマへ輸送して売っぱらっちゃってください」


 僕はローマで小麦が品薄のため高騰していること、そして教皇から救援依頼がきたことを告げる。ローマに小麦を供給することで、少しでも値段が安くなればいいな、という願望を2人に伝えた。


 すると、カポルーチェのっぽは申し訳なさそうに、商人の習性を教えてくれる。


「残念ながら、馬車20台分を売ったところで小麦価格の高騰を抑えることはできないと思います。なぁ、トポカルボちび

「ええ、カポルーチェのっぽの言う通りです。商人はもうけのにおいに敏感なもの。さらなる高騰を狙って買い占られるのがオチかと思います」


 ですよねー。僕もそう思ってた。そもそも馬車20台分程度じゃ焼石に水だと思う。なにせ小麦手形は全部で馬車1万台以上もある。


 でも大丈夫。イルデブラントとの話し合いにより、小麦手形を小麦以外と引き換えることになったのだ。この情報を広めてしまえば、小麦の高騰はひとまず収まると思う。


「たしかに2人の言う通りだよね。馬車20台ぽっちの小麦じゃすぐ買い占められちゃうと思う。だから、小麦を売ったあと、手形を持つ商家にトリノ辺境伯とイルデブラント助祭枢機卿の親書を届けて欲しいの」

 僕はにやっと笑って言葉を区切る。2人の顔色をじーっとうかがう。


「その親書の内容に秘密があるのですね」

「うん、そうなんだよ~」


 カポルーチェのっぽトポカルボちびは親書の中身に興味津々。情報の持つ価値をわかっているなら、当然気になるよね。商人の二人は身を乗り出すようにして僕の次の言葉を待っている。


「なーに。簡単なことなんだよ。小麦手形の支払いは、小麦じゃなくてもいいって内容。同じ価値がある物でいいよ、って書いてあるんだ」


 小麦じゃなくて、オリーブでも塩でなんでもいい。なんなら僕は技術でもいいと思っている。というか技術の方がいいな。羊皮紙じゃなくて、植物から作る紙の作り方をだれか教えてくれないかな。


「ジャン=ステラ様、質問があります。同じ価値があるとはどのように、誰が決めるのでしょう」

 真面目な顔でカポルーチェのっぽが僕に聞いてくる。


 商品の値段は季節によって変わってくる。小麦だって年間の最安値と最高値が4倍、5倍になることだってある。それが他の商品でも同じこと。そんな状況で同じ価値というのは誰が決めるというのか。


「自分で言うのもなんですが、商人に決めさせたら二束三文の商品と引き換えられてしまいますぞ」

 カポルーチェのっぽが心配そうに教えてくれる。


 親身になってくれるのは、カポルーチェのっぽがお母様と僕を主君だと思ってくれてるからかな。頼れる主君だと認められるため、がんばらなきゃ。


「そこは基準を決めちゃえばいいんだよ。ちょうど20台分の小麦をローマで売るでしょ? 馬車一台あたりの小麦手形の価値を、その銀貨の枚数で固定しちゃえばいいでしょ?」


 小麦の価格が上下するから、小麦手形の価格が決められない。だったら、小麦手形をお金に固定しちゃえばいいじゃない。そうしたら一年を通して小麦手形の価値が固定されるから便利になるよね。ちなみに銀貨換算なのは銀貨しか流通していないから。そう、中世西欧には金貨も銅貨もないのだ。古代ローマ時代と違い、貨幣かへい経済がほとんど崩壊しちゃってる。ファンタジー世界と一味も二味も違ってびっくり。ちなみにギリシアには金貨があるって新東方三賢者のイシドロスが言ってた。



 硬貨のことはさておき。自信満々の僕の提案は、商人二人の引きった顔に迎えられた。


「な、なんとアコギな……」

 ぼそっと独り言を呟くカポルーチェのっぽ


 その言葉が耳に入ってしまったからには理由を聞いておかないと。

「僕の提案、ダメだった?」

「いえ、ダメではないのですが……」

 歯切れが悪いカポルーチェのっぽに変わり、トポカルボちびが嬉しそうに全肯定してくれる。


「いやはや、さすがジャン=ステラ様! 小麦手形をもっとも高い価格で貼り付けるということですな」

 小麦手形を小麦以外で引き換えてもよいことになったら、小麦の値段は間違いなく下がる。つまり小麦手形の価値も下がってしまう。しかし僕の提案は、小麦手形の値段を最高値で固定できるとトポカルボちびが喜んでいる。


 トポカルボちびの説明を聞くと、たしかに僕の提案はアコギなものだった。

「小麦手形の価格を固定するにはいい方法だと思ったんだけどなぁ。それじゃ、もっと小麦手形と銀貨との交換比率を下げた方がいいかな?」


 ちょっと弱気になってしまった僕のつぶやきを、トポカルボちびが否定する。

「いえいえ、ジャン=ステラ様。価値を下げるなんてとんでもない! 高い方が儲かりますよ。主家の繁栄は我々の繁栄でもあるのです。わたしはジャン=ステラ様ご提案の価格固定に賛成いたしまする」


 一方、カポルーチェのっぽは渋い顔で疑問をていする。

「トリノ辺境伯家が儲かるのなら、その方がよいに決まっています。しかし、どのようにしてこの価格を商人たちに納得させるのでしょうか?」


 小麦手形は小麦なり銀貨なりに引き換えて初めてトリノ辺境伯家の利益になる。一方で小麦手形が高すぎると、引き換えをこばむ商人が増えるとカポルーチェのっぽは言う。事実、サボナの商人カステッロはジェノバへと逃亡しているのだ。対策は必要だろう。


「小麦手形の1割をクリュニー会経由で教皇に寄付するんだけど、それじゃだめかな?」


 ローマ教皇の特使として派遣されてきたイルデブラントとの話し合いにより小麦手形の1割を教皇に寄付し、1割を神聖ローマ帝国に上納する事で話がついている。ローマ教会からの感謝表明があれば、商人たちも小麦手形の引き換えに応じざるを得ないんじゃないかな。商人だって教会組織を敵に回したくないだろうし。


 カポルーチェのっぽは残念そうに首を横に振る。

「いえ、そもそも小麦手形が高すぎるのです。商人達の支払い能力を超えております。つまり、支払いたくても支払えないのですよ」


 たしかに無い袖は振れない。しかし商人たちって不動産とか船とか、いろいろな形で資産を持っているよね。それに品薄かつ高騰している小麦ならともかく、小麦手形と同価値の商品なら倉庫に保管されてたりするんじゃない?


 僕が指摘すると、カポルーチェのっぽは再度首を横にふった。


「確かに商人たちは沢山の商品を持っています。しかし、それをジャン=ステラ様に引き渡すと、次の商品を仕入れるお金がなくなります。つまり商会を畳むしかなくなるのです。ジャン=ステラ様は商会を潰すつもりはないのですよね?」


 そっか、お店の運転資金かぁ。商品を売ったお金で次の商品を仕入れる。その商品を売ったお金でさらに次の商品を仕入れる。このサイクルを繰り返すことで少しずつお金を儲けるのが商会のビジネスモデル。お店の商品を引き渡してしまったら、次の商品を仕入れるお金がなくなってしまう。つまり商売を続けらえなくなるんだね。



「潰したいどころか、味方になってくれたら嬉しいって思っているよ」

「しかしながら、ジャン=ステラ様が行っていることは、商会の恨みを買うことばかりだと思うのです」


 カポルーチェのっぽが痛いところを突いてくる。小麦手形で恨みを買い、さらに小麦手形の値段をつり上げる。その上、教会を使って逃げ道もふさごうとしている。


 僕がやっている事だけ羅列すると、商会を潰そうとしていると思われても仕方なさそう。でも、新大陸からトマトやジャガイモを持って帰ってくるには航海術にけた商人達の協力が絶対に必要となる。そのため、商人たちの力を削ぐどころか、力をつけてもらいたいと心の底から思っているんだけどなぁ。


 いっそ直接的に質問してみよう。どうすれば恨まれず、協力してもらえるかな。


「うーん、じゃあ恨みを買わないためにはどうすればいい?」

「一番いいのは小麦手形を無効化することかと。そうすれば商人たちから恨まれなくなります」


 したり顔でカポルーチェのっぽが正論を言う。しかし今更その案は吞めないんだよ。


「さっきも言ったけど、もう教皇側と約束しちゃったから手形を無効に出来ないんだよ、残念だけど」


 貰えると思っていた寄付が貰えなかったら教会は怒るよね。捕らぬ狸の皮算用だったっと大人しく諦めてくれるわけがない。


 どうしようかなぁ、どうすればいい?と渋い顔のカポルーチェのっぽを見ながら思案していたら、トポカルボちびが発言を求めてきた。


「発言してもよろしいでしょうか」

「何かいい案が浮かんだ?」


 期待に満ちた僕の視線を受け止めて、トポカルボちびが恨みを買わない、というか恨みを減らす弥縫びほう策を提案してくれた。


「そもそも小麦手形が高すぎるのですよね。でしたら1枚の手形を10個に分割し、10年払いにしたらいかがでしょうか」


 分割払いにすれば、確かに支払いに困る商家は減るだろう。そういった意味では悪い話ではない。教会とも支払い時期について取り決めていないから、10分割でも文句はでないと思う。


 でも、恨みを買う事に変わりはないんだよね~。ないものねだりかもしれないけど、なんか、こう、一発逆転できる奇策ってないものかな。


「商家の負担が減るから、恨みは減るかもね。だけど、恨まれるのではなく、喜んで手形を引き換えてくれるような提案はない?」


「恨みではなく、喜ばれるような方法ですか。うーむ」

 カポルーチェのっぽに続きトポカルボちびまで渋い顔になっちゃった。


 さすがに虫が良すぎるかな。


 僕が諦めかけた時、ここまで話に加わっていなかったお母様が挟んできた。


「あーら、そんなの簡単な事じゃない。うふふ」


 ほろ酔い気分で上機嫌なお母様が、コロコロと可愛い声で笑ってる。先ほどまでの重い空気が払われたのはいいけど、そんな簡単な方法があるの?半信半疑のまま、お母様に続きを促す。


「お母様、そんな方法が本当にあるのですか?」

「あるわよぉ。手形を引き換えた商会にご褒美を上げればいいのよ。そのご褒美が魅力的であれば、喜んで手形を引き換えてくれるでしょう。ジャン=ステラもそう思わない?」


 お母様の提案は飴と鞭。手形引き換えという鞭、つまり損失を上回る利益という飴を与えればよい。確かに策としてみれば簡単なこと。しかし何を飴にすればいいのかな。


「お母様はどんなご褒美をあげればいいと思いますか?」

「それは、あなた方が考えることよ。うふふっ」


 がくっ。肝心の部分が抜けてるじゃない。お母様の答えに僕は思わず執務室の机に突っ伏した。


 もうっ!この酔っ払いお母様め~。恨みがましい僕の視線をものともせず、お母様は上機嫌に笑みを浮かべてこちらを見ている。


 でも、お母様の言うことにも一理ある。上手うまいことご褒美を設定すれば、恨みを買わずにすむかもしれない。それだけではなく、新大陸への到達に協力してくれるかもしれない。


 そうだよね。新大陸のためなら大盤振る舞いしても惜しくない。ふっふっふ。なんだか上手くいきそうな気がしてきた。僕の口から自然と笑みがこぼれる。


「ジャン=ステラ様、良い案が浮かんだみたいですね」

「ぜひお聞かせ願えますか?」


 トポカルボちびカポルーチェのっぽが興味津々とばかりに僕の顔を見てくる。


 うん、大丈夫。きっと上手くいく。


「僕があげられるご褒美、色々あるんだ。どのご褒美に興味をそそられるか、商人達が恨まず味方になってくれそうか、2人の意見を聞きたいな」


 上位貴族のご婦人方に好評なトリートメントに蒸留ワイン。出産時に手を洗うだけで死亡率を下げる固形せっけん。これらの販売権はご褒美になるだろう。


 航海を楽にしてくれる方位磁針もご褒美になるはず。まだ試験運用はしていないけど、島影頼りの沿岸航海を卒業できる。ギリシアから来たイシドロス達は、冬の地中海縦断が楽になると予想していた。船を持っている商会にとっては、船の稼働率が上昇する垂涎の装備なのだ。


 算数の教科書だって有力候補になると思う。計算ができないと商人なんてやってられないよね。頒布を妨害していたサルマトリオ男爵はもう表舞台から消えたのだ。


 イシドロス達が製作に挑戦している望遠鏡も分かりやすいよね。現物があれば、すごい高値で売れるはず。


 酔いがまわって寝息を立て始めたお母様を侍女に託し、僕たち3人はロウソクが灯る執務机を囲み、商人達への飴についての話し合いを続けるのでした。



ーーーあとがきーーー


 作品内で紹介するには内容が固すぎて、かつストーリーラインから外れてしまう知識をちょっと紹介しちゃおうと思い立ちました。


 ということで、はじまりはじまりー


☆宇佐美ナナの歴史コーナー☆


ナナ : みっなっさーん初めまして! ナビゲータを務めるピンクのウサギ、ぬいぐるみのナナで〜す☆

マティ: そして私が助手の黒猫ぬいぐるみ、マティキャットで〜す★

ナナ : 私たち二人とも作中に出てきているのですが覚えていますか?

マティ: 私はマティルデお姉ちゃんがジャン=ステラちゃんに贈ったぬいぐるみ

ナナ : そして私はジャン=ステラちゃんからマティルデお姉ちゃんへのプレゼント!

マティ: ねえ、ナナちゃん。私の名前どうして英語のキャットなんだろうね? 

ナナ : だってイタリア語でガット(gatto) って書いても猫ってイメージできないでしょ?

マティ: うーん、そうなのかなぁ。わかる人もいるかもよ?

ナナ : 少なくとも作者はわかんなかったんだって言ってたよ

マティ: じゃあ、仕方ないね

ナナ : 名前はさておき、第一回目のお題は「硬貨」でーす

マティ:「中世西欧には金貨も銅貨もないのだ」って書いてましたね

ナナ : そう、銀貨しかないんですよ

マティ: えー。銅貨10枚が銀貨1枚で、銀貨10枚が金貨1枚って設定はどーなるんですか!

ナナ : そんなゲームや他の小説のことなんて知らないわよ

マティ: それもそーですね。事実は小説より奇なり、ってやつですね

ナナ : なんだか長くなってきたので、あとは宇佐美ナナちゃんに解説してもらいましょう

マティ: 幾千もの鏡に映りし光よ、ここに集まりて一時いっとき顕現けんげんもたらしたまへ、召喚いでよ・宇佐美ナナちゃん!



 ここまでお読みいただき誠にありがとうございます。宇佐美ナナです。硬貨についての解説を、台本形式で最後まで説明したかったのですが、長くなりすぎて挫折しました。

「ああ、己の筆力のなさよ、およよよよ」、と嘆息するばかりです。


それでも小説本文の方を優先するという大義名分のもと、開き直って普通に解説文を書くことにしました。皆様の何かのお役にたてましたら幸いです☆


その1 硬貨の種類


 作中「中世西欧には金貨も銅貨もないのだ」と書きました。みなさま、あれっ?て思いませんでしたか


 よくあるファンタジー小説では、金貨銀貨銅貨が出てくるじゃないですか。ドラクエ世界でも通貨単位はゴールドですよね。それが史実の10世紀に金貨や銅貨がないなんて本当?って思うのが普通だと思います。


 実際、古代ローマには金銀銅と全部揃っていました。異民族の襲来により古代ローマが滅び、西ヨーロッパが混乱すると貨幣経済が壊滅しちゃいます。だって、陸から海から異民族が襲ってくるから交易なんでとてもじゃないけど出来なくなっちゃうのです。そのため近隣農村との物々交換で済むような経済に逆戻りしちゃいました。その結果、大規模商取引で使う金貨がなくなり、少額の小売販売でつかう銅貨も鋳造ちゅうぞうされなくなってしまいました。残ったのは中規模の取引用の銀貨だけになってしまったのです。


 ただし、金貨は完全になくなったわけではなく、東方教会地域で鋳造された金貨が少数流通していたらしいです。そのため、中世ヨーロッパに金貨がなかったわけではなく、中世西欧に金貨がなかったという表現になります。


 じゃあ、ローマ時代に流通していた金貨銅貨はどこにいったのでしょう?古代ローマが滅んだとしても金貨銅貨は後に残るはず。歳月が経つにつれ割れたり欠けたりするとしても、魔法のように一気に消え去ってしまわないですよね。


 これらの金貨銅貨は地中海の南側に徐々に流れていったのだと思います。細々と続いていた地中海の南北貿易、つまりヨーロッパとアフリカの貿易は、後進地域であった北の赤字でした。後進地域であった西ヨーロッパは裕福なアフリカに売れるような商品がろくすっぽなかったため、少年奴隷を輸出していたようなのです。


 この後の大航海時代の奴隷貿易を考えると隔世の感がありますよね。私も調べていてびっくりでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る