第133話 俺、本当の魔王軍と戦う事になる
アマテラスの暴走でなんだかんだあったが俺は気を取り直してアマテラスに今日のデュエルをお願いする事にした。
アマテラスの計算だと俺のワールドは魔法世界で戦ってもキングダム戦で1万台までは行けるはずだ。
先日はなんか戦いの流れぶった切る様に核が使用されたからちょっと色々とダメな事してる気になったが、最初から核使うなら躊躇もない。
まぁ一瞬で勝負を終わらせるのはどうかとも思うけど勝負は勝負、勝てる戦いは拾わせてもらいたい。
「よし、アマテラス!今日はキングダム戦をバリバリ進めてランキングを上げてくぞ!」
「了解だよ!」
アマテラスはいい返事を返して対戦相手を探し始めた。
それから数戦は創造主の命令が効くのか次々と核で敵を粉砕していった。
正直核での戦いはかなり楽だった。
相手にどれだけ強いユニットがいても数発の核を止める事はできないし、そういったユニットは大体勇者ユニットなので王都に居ない事が多い。なので核は誰にも止められることなく打ち込まれ、あっという間にデュエルは終了した。
短時間で戦争が終わる事もあってサクサクと対戦をこなして俺のランクはアマテラスの計算通り1万台に入った。
まぁキングダム戦はプレイヤーが少ないのもあるかもしれないけど。
そして24戦目、俺は今まで全く見た事の無かった光景を目にしていた。
「アマテラス、これってありなんだっけ?」
「もちろんありだよ。でも結構珍しいかも。」
モニターにはこちらの兵士達に対して空から奇襲をかける魔物達の姿があった。
そう、今までは人間の国ばかりだったのだが、なんと、今回の相手は魔王の国だったのだ。
しかもその国はかなり濃い霧に覆われており、今まで航空機で偵察して核発射だったのだが魔王城の位置が空から把握できずに作戦変更を余儀なくされていた。
そして、遂に魔王軍が俺のメリカン合衆国に攻め込んで来たのだ。
多種多様な魔物が海から、空からメリカン合衆国に攻め入ろうとする姿に司令塔とも言うべきホワイトガーデンは大慌てであった。
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「海や空から大量の魔物が迫っているというのは本当かね!?」
バイドン大統領が補佐官の一人に確認をする。
補佐官はそれを肯定すると現在の軍の状況を報告し始めた。
「現在我々はエンジェルアマテラスの指示に従う様に核の攻撃準備をしておりましたが、陸軍は特に通常運用であり、各地に散らばった状態となっています。敵の速度から考えると到着まで大凡2日との事です。」
それを聞いて大統領は先日核使用に関する緊急会議を開いたメンバーに再度招集をする様に彼に命じた。
それから約3時間後。
主要なメンバーが集まり、すぐに会議が開かれた。
「独立以来我が国が他国から攻められる事は皆無だった。しかし遂にその時が来てしまった。しかも最悪の事態の中でだ!我々が元の世界に帰るためには敵を倒す必要がある。しかし、我々の作戦はまだまだ序盤であり、核ですぐに解決というわけにはいかない。どうにか今の状況を凌いで敵に一発お見舞いしてやる必要がある。」
大統領の挨拶に全員が頷いた。
それから現状について説明が開始された。
「現在、海と空からモンスターの大群が我が国に迫っております。海のモンスターは大凡60,000、空のモンスターは8,000とかなりの規模です。」
その数に参加者がどよめく。
「スピードから推計すると、約2日で我が国へと到着する予定。空のモンスターは海のモンスターの支援なのか、スピードを合わせて進行しており、常に陸と海を行き来している様です。」
「それはつまり交代で空からの攻撃をカバーしているという事かね?」
「はい、長時間の飛行が奴らにとってどれだけの負担なのかは分かりませんが、常に何割かが敵地に帰っていき、同じタイミングでその分が補充されている様です。」
それを聞いて一人の男がつぶやく。
「敵はモンスターとは言え知性があり、統率が取れているという事か。」
それはただ群れている自然の動物を狩りつくすのと違い、戦いを非常に困難にさせるのに十分な要因だった。
「現在我々は空軍に要請し、敵の迎撃を開始する準備をしています。」
「他にできる事は何かね?」
恰幅の良い男が少し不安そうに体をゆする様にしながら質問をした。
「はい、海軍のいくつかの部隊に期間命令と遠方からの攻撃支援を命令しています。ただ、基本は遠海を航行していた空母打撃群2群のみで、原潜はそのまま待機となっています。」
それに対して、補佐官が捕捉の様に説明を追加する。
「そう言えばその原潜の参加しているミッションの進捗はどうなっているんだ?」
別のかなりしっかりとした体つきの初老の男性が思い出した様に質問をした。
「はい。ご存じの様に敵地はかなり濃い霧に覆われており、レーダーですら探索が殆どできない状態になっています。そのため現在特別部隊が上陸し、敵の本拠地を探索している状態です。彼らからの報告があり次第、本拠地へ発射する手はずとなっています。」
それから細かい実行プランとメディア対応について話し合いが行われた。
敵の侵攻に関する報道はこちらの迎撃後、上陸されてしまうギリギリまで保留となった。モンスターの襲撃等国民が冷静でいられるわけがないと判断したためだった。
そうして彼らは行動を開始した。
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