第131話 俺、流行に乗ったツールを得る
俺は渦目さんのハーレムパーティー発言で思い出した。天野さんのキラッキラエルフパーティーを。そう言えば天野さん推しキャラプレーしてたんだわ。
まぁ俺のパーティーが虐殺したんだけど。
「いや、でも、もういるでしょ?」
俺の言葉に渦目さんはチッチッチと指を振る。
「わかってないねぇ国立。イケメンはいくらいてもいいんだよ!」
ガーン!知らなかった。女子は一人の推しだけで生きていけるんじゃなかったのか!
俺はそっと天野さんの顔を見たが天野さんはスッとうつむいて表情が読み取れなかった。こ、これは、沈黙による肯定。阻止!断固阻止だ!!
「そ、そこらへんはア、アマテラスが全部やってるから、一応言っておくよ。」
って何言ってるんだ俺。なんか不倫を見逃す情けない旦那みたいで泣けてくるぞ。
絶対女の子だけを送る様に言っておこう。
それから俺達はマスターと打ち合わせをして今後どれくらいのユニットを送る様にするのかを決めていった。木花さんはまた置いてけぼりで少し寂しそうだった。
そんなこんなで近況報告を受けながら天野さんと渦目さんに送るユニットの数を決めて俺たちは解散する事になった。
よし、これを切っ掛けに天野さんとお話できるぜ!
その帰りがけにマスターが
「おお、こんなに!?マスター一体どこから仕入れてくるんですか?」
「それは、女の秘密よ♡」
俺はその秘密に深くは突っ込まずそそくさとイベ書をカバンに入れて帰る事にした。
それから俺はアマテラスに今日の出来事を話した。
それによって問題の原因はすぐに判明した。
「あ~、それ小説の一ジャンルだよ。なんか最近この小さい島国ですっごい流行ってて、私もそういう人の方が別のワールド行っても馴染みやすいかなぁと。」
小説というのは確かはるか昔にあった紙に印刷されたお話の事だ。ここ百年程はAIによる映像と物語が人に合わせて創作される様になって耳にした事が無いが、昔は色々と流行ってたらしい。
「一体全体なんでそんな物語が流行ってるんだ?」
「うーん、なんかこの国だけすっごい流行ってるんだけど・・・以前このワールドに来た人が広めた、とか?」
いや相変わらず疑問形で返してくる。
まぁ確かにそんなつぶさに世界の出来事知ってるわけないのか?
「まぁなんにしてもちょっとやり取りが大変らしくてな。少し人選をマイルドなユニットにしてくれると助かるわ。」
「マイルド?マイルドってどんな感じだろう。なんか国之さまの話聞いてるとむしろ喜んでるようだしそのままでいい気もするけど。」
「あ~、喜んでるのは確かだろうな。どちらかと言うと受け手がうんざりしてると言うかなんというか。」
「そっか~。あ、そう言えば最近そのまま転送させるだけじゃなくて転生できる様にしたシステムを作ったんだよ!これ使えば解決するかも!」
「ん?それはなんかアップデートがあったのか?」
「違う違う。さっき言った小説が流行ってるって話あったでしょ?それで転送じゃなくて転生できる様にユーティリティツールを作ったんだよ!」
「転送?転生?ユーティリティツール?」
俺の疑問に解ってないなぁという顔でアマテラスが説明を追加する。
「そそ、転送は多少の変更を加えて送り出すでしょ?転生はそれを誰かの子供として生まれる様にして送り出せるって事だよ!で、それができる様に
「へー、ふーん、まぁつまり便利なツールができたんだな。」
うんうん、なんかよく判らんが便利ならいいだろ。
「うん、来た人をそのまま転生させちゃえばやり取りしないでもいいでしょ?それにその世界に生まれてくるから受け入れの問題もなくなるし。」
ああ、確かにわずらわしさはなくなるのかもな。
最近治安のいい所は個別管理もされてるから潜り込ませにくくなってるしな。
いや、色々と疑問はあるんだが。
「それ、俺のワールドで使うとマナはどうなるんだ?」
そう、とにかくマナだ!俺のワールドにはマナが重要なんだ!!
「あ~、それは多分無くなっちゃうと思う。ユニットを一度遺伝子に還元してそこに成長誘導コードを埋め込んで送り出す形になるからマナはこの空間で霧散しちゃうんじゃないかなぁ。」
アマテラスもマナ問題は抜けてたようで少しがっかりしていた。
それにしても
「そんな拡張機能があったんだな。ていうか色々とその手のツール作ったら便利そうだよな。」
「うんうん、色々と苦労したからね!」
「そうなんだな。えらいぞアマテラス!」
「えへへ~。」
俺が頭をなでてやるとアマテラスは凄い嬉しそうだった。
「因みにそのツール作るためのなんかリストみたいのってないの?もしマナの問題が解決する機能があれば俺も探したいんだけど。」
「え?リスト?使った資料は国之さまの世界でも使われてるベイビープランの資料と
・・・アマテラスの言ってる事が解らない。
なんだそのベイビープランって?
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