第118話 俺、遂にキングダム戦に乗り出す

帰ったら俺は早速『予知』を使おうと思いながら部屋に入る。

「あ、国之さまお帰り~!」

そこにはモニターをにらめっこしているアマテラスがいた。


「アマテラス、一体何をそんなに見てるんだ?」

「うん、先日国之さまがリアルと歴史が似てるって言ってたでしょ?それで色々と調べてたんだよ。」

俺は先日ちょろっと話をした件を思い出した。


「それで、なんか分かったか?結構似てないか?」

「うん、色々と調べてたらリアルの情報が面白すぎて情報取得しまくってたら国之さまが帰って来たんだよ。」

アマテラスが肩をすくめた。


「そうか、その集めた情報の中になんかヒントになりそうなのはなかったか?」

「うーん、科学の世界では時代が進めば進む程兵器が強くなるから、ちょっとずつでも進めた方が有利かも?」


やっぱそうなのか。

「俺もそれは思ってた。今日は天野さんからSR『予知』をもらったから、これでまた進める事ができるぞ!」

「さっすが国之さま!それじゃ早速使ってみるね!」

「おう、頼んだ。」


アマテラスは俺から『予知』を受け取ると早速それを実行した。

モニターに次々と未来が映し出されていく。

それをアマテラスが何やら頷きながら確認している。


「やったね国之さま!」

映像が終わるとアマテラスが開口一番喜びの声を上げた。

しかし、そのモニターに映っていたのは燃え盛る都市だった。


「いや、やってねえだろ!!どう考えても世界の都市が燃え盛ってるだろそれ!」

そんな俺をアマテラスは「まあまあ」と言いながら落ち着く様にジェスチャーする。


「多分なんだけど、国之さまのワールドはマスターの言ってた通りかなり不安定みたいなんだよね。だけど、前回に比べて今回は更に時間が伸びたから!一気に50年位時間を進めても大丈夫だよ!」


うーむ、つまり俺のワールドはいつ何時でも滅亡への道を進もうとしてるって事か。

そうなると確かにアマテラスの言う通り、そこは受け入れて滅亡を回避しながら時代を進めるしかないのか。


いや待て、俺の目的はなんだ?別に時代を進める事じゃない。

俺の目的はデュエルで勝つことだ。どこまで進めば壊れ勇者に勝てるか、それが問題だろ?


「よし、アマテラス。大体の話は解った。因みに俺のワールドがランキング1万台になる為にはどれくらい時代を進めた方がいいんだ?」

「あ~、そうだよね。もしランキング1万台だとすると・・・。」


そう言ってアマテラスは手元のパネルで計算を始めた。

そこには色々な兵器が映し出されており、その下にはスペック表なのか様々な数値が並べられていた。そして結論が出たのか顔を上げた。


「あくまでシミュレーション上でしかないけど、キングダム戦なら今でも勝てるし、キャッスル戦なら30年進めれば行けそうかな。」

「おお、科学文明結構頑張れるな!因みにクラン戦とパーティー戦はどうなんだ?」

俺は少し期待して聞いてみた。


「クラン戦とパーティー戦は今のまま進めても難しいかな。やっぱり相手のユニットが強すぎると、そのサイズの戦闘じゃ一気に攻め込まれちゃうから厳しいみたい。」

アマテラスが申し訳なさそうに俺に説明した。


「そうか。まぁ仕方ないな。」

「そしたら進めちゃっていいかな?」

「おう、それでどんどんキャッスル戦のランク上げていくぞ!」

「らじゃ~!」

アマテラスがビシッと敬礼して時代を進める様に操作をする。


「あ、あれ?なんか前よりも更に時代が進みにくくなってる様な?」

「え?何があったんだアマテラス?」

アマテラスは首をかしげて色々と調べているが、何も手応えがなさそうだ。


「なんか、どんどん時間の進みが遅くなってるんだよね。前は10年位は進んでいたんだけど。うーん、これは・・・」

「これは?」

「国之さま、どう思う?」


って俺が知るか!まぁ期待してなかったけど。

しかし進む時間がどんどん少なくなってるとか不便で仕方ないな。

仕方ないからキングダム戦にでも挑戦してみるか?


「まぁ仕方ない。アマテラス。時間進めながらキングダム戦はできるか?」

「うん、大丈夫だよ。時間の方はこっちで管理しておくよ!」


そうしてアマテラスはキングダム戦の相手を探し始めた。

「キングダム戦は参加者も少ないし、結構上のランクからスタートする感じだよ。」

「それはいいな。」

「まぁ結構長いし世界大会も無いからね~。ちょっと冗長すぎなんだろうね。」

アマテラスは相手を探しながらキングダム戦の評判を教えてくれる。


「まぁ噂は聞くけどな。クリップされた動画見る限りでは別に普通に楽しそうだけど、実際は3時間位かかったりするらしいもんな。」

「うん。まぁ国一つだからまず移動する距離が違うよね。あと相手側の情報が無いから攻めるにしても慎重になっちゃうし。間に海が挟まると決着がつかなくて判定になる事も多いよ。」


「うーん、運営はなんでそんなデュエル入れたんんだろうな?」

「よし!国之さま!!こっちのワールドで対戦してくれる人見つけたよ!!」


アマテラスが得意気に対戦相手のステータスを見せてくる。

「おっしゃ!!こっちのワールドなら俺は無敵だぜ!!」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

プレイヤー名:ラッキータッキー

プレイヤーランク:224,184

戦績:62%

国名:タクトクルト・ガーランド

規模:L

推定戦力:9,450,060

参加都市数:8

開拓レベル:30

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

国名:メリカン合衆国

規模:LL

推定戦力:9,907,320

参加都市数:16

軍隊規模:1280000

軍事力:1,032

開拓レベル:28

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


こうして俺初のキングダム戦が始まった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る