第116話 俺、またまた世界を救う

「わわ、国之さまどうしたの!?」

床に手をついてる俺にアマテラスが驚いて声をかけてくる。


「これが崩れ落ちずにいられるか!なんであっという間にお前にまで話が行ってるんだよ!!」

「え~、でもみんな凄く楽しかったみたいだよ!マスターなんてかつてない伝説!とか言って褒めてたんだから!」

「いや、それ褒めてねえよ!」


俺とアマテラスがそんなやり取りをしてるとモニターから声が聞こえた。

「あら、常之ちゃん帰って来たのね。ていうか今日はバイトあるのに帰っちゃだめじゃない。」

「マ、マスター。すみません。」

「まぁいいわ。あんな面白い話聞かせてもらっちゃったらね。今日は勘弁してあ・げ・る♡」


「ゴハァ!」さっきから追加ダメージが酷い事になってるぞ。

ますだあぁ、明日覚えとけよ。


しかし、俺は家に帰って来たことで少し落ち着いて来ていた。

そこで、折角マスターに繋がってるので俺のワールドの話を相談する。

「マスター、実は俺のワールドまた滅びそうなんです。」


「アマテラスちゃんから話は聞いたわ。できるだけイベ書は集めておくけど、常之ちゃんのワールドはなかなかバランスが難しそうだから足りるかどうか。」

「うう、どう考えてもおかしいですよね、俺のワールド。」


「そうよね。マナが無いからなのか、魔物が居ないからなのか、かなり物騒なワールドよね。もしかするとずっとそんな不安定なバランスで手を掛けてあげないと滅んじゃうワールドなのかもしれないわねぇ。」


なんてしんどいワールドなんだ。

かまってちゃんかよ!


「俺としては何とか安定させて上位の勇者に勝てる様なワールドにしたいんです。イベ書よろしくお願いします!」

「オッケー!私に任せなさい!」


「そう言えばマスターって一体どうやってイベ書手に入れてるんですか?あれだけの数用意するのかなり大変ですよね?」

俺は少し気になっていた話を聞いてみた。というか実はマスターはお金持ちでイベ書購入に困らないとかなのか?


「うふふ、それはひ・み・つ♡」

「えー、いやいや、教えてくださいよ。俺もイベ書沢山手に入るなら是非教えて欲しいんですけど。」

「まぁちょっと普通の人には難しい方法なのよね。残念だけど、諦めて♡」


いや、なんか俺がマスターの事諦めて欲しいみたいな雰囲気で言うの止めて欲しいんですけど。諦めるとか諦めないとか以前の問題だから!


こうしてマスターとの通信は終了した。

マスターのイベ書入手先は謎だけどまぁかなり数が期待できそうなのは助かった。



それから俺はアマテラスと世界滅亡への対抗策を考える為に相談を始めた。


アマテラスが一先ず言うには大体260年先まではどうにか滅亡しない様にできそうだという話だった。一体なぜそんな結論が出たのか解らないがアマテラスはやけに自信がありそうだ。


「大体原因とその解消法は目星がついてるよ!ドーンと任せて!!」

アマテラスに任せるのはかなり勇気がいるが一先ず話だけは聞いておこう。


「まず、このメリカン合衆国とソビエル連邦が戦争に入るイベントをことごとく潰して行くのがポイントだよ!」

「まぁ最終的にこの二国が切っ掛けで滅亡する様なもんだしな。」


「そうそう!この二国間が安定してれば基本的に平和な時代が続くよ。」

「因みに時代が進んだら俺のワールドって強くなるのか?そこが無いんだったら進めても苦労するだけで微妙だからな。」

「うん、当分技術の進歩は進んでいくから問題ないよ!どんどん強くなるから。」


おお、それは期待できる。

果たして俺は勇者に勝てる様になるんだろうか。


こうして俺とアマテラスは時代を少しずつ進めながらメリカン合衆国とソビエル連邦の対立をどうにか抑えていった。


一番辛かったのが南の半島での戦争だ。最初はメリカン合衆国が戦争支援をしていたのだが、メリカン合衆国に所属する艦隊が直接攻撃された事で参戦し、それから数年してソビエル連邦も参戦を開始したのだ。


この時は終わったと思ったがとにかく休戦する様にバランスを取るのが大変だったが、結局アマテラスのファインプレーでメリカン合衆国の反戦活動が大きくなり、メリカン合衆国が撤退したことで終わりを迎えた。


もう一つがソビエル連邦がメリカン合衆国のすぐ脇の島国に核を持ち込もうとした事件だ。これは核が絡んでただけにかなりひやひやさせられた。


これはメリカン合衆国の大統領を何回もイベ書で励まして戦争にならない様に苦労した。ソビエル連邦の首相にも色々としたかったのだが、思いとどまらせる様なイベ書が少なく、UCアンコモン『悪い予感』とCコモン『慎重な選択』を使いまくった。


そして、遂にソビエル連邦が自発的に崩壊をした。


「おお、アマテラス!歴史が変わった!!これで滅亡は回避できただろ!?」

「国之さま。実はこのイベントは実はもっと後で出てくるはずだったんだよね。それが前倒しされたらどうなるんだろ?」


いや、俺に聞かれても判らんわ!

ちょっとSR『予知』が手に入るまで時間を遅くするのがいいのかもしれない。


俺はその日はどうにか弱めの相手を探してデュエルをして寝た。

結局一斉攻撃で相手の防衛結界を破るのは同じなんだけど。

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