第114話 俺、時代の先を見てしまう

遂に近代兵器世界と魔法世界の決着がついた。

均衡が崩れた後の結末は一瞬だった。


ジンガー駐屯地の砲撃が王城都市シェマーンの防衛結界を破った後、騎士団の突撃を食い止め、そして城門が崩された。


城壁から兵士が入り込む様になると、遂に対戦相手が降参した。


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おお、なんかすごく白熱したバトルだったな。

というかあのデカい魔法のチート感なんなんだ。

いや、そもそも防衛結界がチートだわ。


こちとら近代兵器だぞ?

アニメみたいなバリアシールドも無いし、核兵器なんてキャッスル戦サイズじゃ使えないし。きっと勇者みたいのが居たら一瞬で焼き払われる未来しか見えない。


「アマテラス、あの防衛結界はなんとかならないのか?正直あれの対処ができないと攻撃がどうにもならんのだが。」

「うーん、戦艦か航空爆撃があればなんとかなると思うけど、国之さまのワールドの場合、あれを無くすのは攻撃力だけだからね。」


因みに魔法世界同士では優秀な魔導士が居ると解呪系の呪文で通り抜ける事ができるらしい。

そんなユニットが居ない場合は前線を上げていき、戦略級魔法とかで防衛結界を跳ね飛ばし、そっから攻城という流れという事だ。


たまたま勇者級が所属している時とかだと一人でも壊せたりするらしいが、そんなの居たら俺のワールドは結界すらないから瞬殺だろう。


つまりこのままの状態でランクを上げていくのは厳しいわけだ。

やはりもっともっと俺のワールドを強くしていかないといけない。


そう考えて俺はSR『予知』を取り出す。

「アマテラス、これを使ってくれ。将来もっと高度な兵器が出てきて勇者が倒せるくらいまで行くのかどうかを確認したい!」


アマテラスは『予知』を受けとり「ラッジャ~!」と間抜けな返事を返して俺のワールドに投げ込んだ。


前回同様、将来起こる様々な事象が映し出される。

小さな戦争はいつも起きていた。

それ以外にも何か技術革新的なものがちらほらと映っていた。


そして最後には無限の荒野が広がっていた。


「って、おいいいぃぃぃぃ!!」

「っひ!?」


「ちょっと待て待て待て!」

「国之さま、落ち着いて。この未来はまだ確定じゃないから。」

「このままだと確定だろが!?」

「そこは間違いないよね。でもよく見て!」


そう言われて俺はモニターに目を凝らす。

・・・いや、無限の荒野だ、どう見てもそれ以外に見えない。


俺がアマテラスの顔を見るとアマテラスが得意気にモニターの一部を拡大した。

そこにはかなり原始的な感じで人間が集落を作っていた。


「なんと!人間さんは生きてました~!!」

ジャジャーンという感じでアマテラスがモニターに両手をひらひらさせる。


「いや!生きてればいいってもんじゃないから!!ちゃんと文明無いとデュエルできないから!!」

「折角みんな頑張って生き延びたのに!」

アマテラスは泣き崩れて俺を見た。


「いや、俺はその、生き延びた事は素晴らしいと思うよ?思うけど―」

「だよね!!みんな凄いよね!!あんな悲惨な状況から生き延びて来たんだよ!!創造神として心から褒めていいと思う!」


俺は食い気味なアマテラスにあほくさくなってきて落ち着いて来た。

「解った、アマテラス、解ったから。あいつらは凄い、俺はあいつらを褒める!だけど俺が知りたいのはなんでこんなになっちゃったかと、どうすればこんな未来を変えられるかだ。」


「なるほど、それは当然だよね。ちょっと待ってね。」


そう言ってアマテラスはいつもの様に目の前に出て来たパネルを操作し始めた。

というかなんか更にパネルが増えてる気がする・・・。


少ししてアマテラスが俺に報告をくれた。

「国之さま、おめでと~ございます!なんと、前回に比べて破滅への時間が36年延びましたぁ!地球滅亡まであと118年だよ!」

「よっしゃあ!!って結局滅ぶなら素直に喜べねえ!!」


俺は膝をついて崩れ込んだ。

そんな俺にアマテラスが優しく肩を叩いた。

「大丈夫!時間はあるよ!多分今なら間に合うから!」


「そ、そうだな、うん。そう信じなきゃやってらんないわ。んで、結局なんでこいつら滅んだんだ?」

「うん、どうもね後73年で一つの戦争が起こって、前回はそこに近い感じで大きな戦争が起こったけど、今回はそれが長引いて結局核戦争が起こったんだよ。」


うーむ、こいつら核戦争好きだな。

あれか?勇者がどでかい魔法で国消し去るのに憧れるとかそんな感じなのか?

しかも大量に打ち合うとか狂気の沙汰だろ。

同じ人間同士なら少しは手加減しろと言いたいな。


当分色々とまたワールドが滅亡するかもとハラハラする日を過ごすのか。

凄く気が滅入る。学校は当分適当に休むかぁ。

あれ?学校と言えば俺なんか忘れてる気がする。


「ふおおおおぉぉぉぉ!!!」

「っひ!?国之さま、突然どしたの!?」


そうだった!明日は天野さんと会う日じゃないか!

うおおぉぉ!それでSR『予知』使わない様にって考えてたのに!

なぜ使った俺!!


「ア、アマテラス。俺はちょっと今日は疲れたから練る。できるだけワールドの時間を遅く進める様に頼むわ。」

「うん、了解だよ!」


そうして俺は悶々としながら眠りに落ちたのだった。


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連投記録は途切れましたがどうにか引っ越しが終わり、ネットが設定できました!

明日からまた連投頑張りますのでよろしくお願いいたします!!

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