第103話 俺、マナを増やす裏ワザを見つける
俺が家に帰るとアマテラスが俺のワールドのマナが増えてると言ってきた。
なんか初期値より0.8%程増えてるらしい。
「勝手にマナが増えるとかあるのか?」
俺の質問にアマテラスは首を振る。
「マナは初期に投入した量で決定されて、それ以降は変わらないはずなんだけど。」
それは今まで聞いて来たままの話だ。でも実際に変わっている以上何らかの原因があるはずだ。
「アマテラス、またなんか変なハッキングして数値いじったりしたんじゃないのか?」
「ち、違うよ~!私がそんなことできるならパパっと60%位にしちゃうから!」
確かに。アマテラスならまどろっこしく0.8%とかじゃなく一気に行く気がする。
残念だ。
「それに前から言ってるけど、このワールドは本当に存在してるからハッキングしたって数値は変えられないよぉ。」
実在設定はアマテラスですら攻め込まないラインなんだな。
こいつならそれくらいの設定ナチュラルに無視しそうだけど。
「じゃぁあれだ。なんか空間的偏在があったとか。」
「全体の中で多少の偏在はあると思うけど、1.5倍近くも変わるって事はないんじゃないかなぁ。」
「じゃぁマナが発生する様な現象が俺のワールドで起きてるとか?」
「うーん、マナがどんな物質なのか完全に解ってるわけじゃないけど、今まで
うーむ、そもそもマナが存在してるなら
「そうなると、残るはトレードしたユニットが関係あるとか?」
とは言えあれだってコピーだろうから別にマナが増えるって事ない気がするんだよな。
と思ってたらアマテラスが手を叩いた。
「それかも!さすが国之さま!確かにもらったユニットで増えたのかも!」
「え?トレードで来たユニットの持ってるマナって一緒に持ってこれるの?というかあれってコピーじゃないのか?」
「違うよ。ディメンションバックドアで実際に空間をつないで連れてきてるんだよ。」
「つまりあっちのワールドのマナがユニットに入ってて、こっちのワールドで放出されるから、マナ濃度に影響があったと?」
「多分、そうなるよね~。普通こんなにトレードしないしね。」
なるほど、つまり増田が魔力暴走状態のユニットをバンバン送ってくるが、あれのおかげで俺の世界のマナが増えたって事か。
しかし、そうなるといつか増田のワールドのマナが足りなくなる時が来るって事だよな。あいつに教えるべきかどうか・・・。
まあ、まだ影響ないだろうし、当分は黙っておこう。
「よし、アマテラス!今日からまたトレードに励んで俺のワールドのマナを増やすぞ!」
「おー!」
それから俺は一つ気になっていた事をアマテラスに聞いた。
「そう言えば俺のワールドが俺の世界の歴史と似たような経緯を進んでる気がするんだが、なんか仕様なのか?」
「へぇ。そんなに似たような歴史を辿るなんて事普通は無いと思うけど。ちょっと今度調べておくね。」
どうやらたまたまだったという事らしい。
あるいは俺の様な状況は今まで無かったので情報がないだけなのか。
「もし歴史が一緒なら
それを聞いてアマテラスがちょっと考える様に首をかしげる。
「でも国之さま、もしそれが本当なら『予知』を使った時点であんな未来が出てくる事も無かったと思うんだけど?」
「・・・。」
そう言われるとそうだ。もし俺の世界の歴史をなぞってるなら核で滅亡する未来なんて元から無いはずだ。だけどそれが見えたという事はやはり歴史をなぞってるわけじゃないのか。
だとするとやっぱり『予知』は今の時点で使った方がいいのか?
もしそれで未来が変わってなかったらまた色々と頑張る必要が出てくる。
俺は少し残念な気持ちになった。
正直昨日の核の滅亡防止クエストは精神的に辛かった。
なのでできるだけその未来を知らなくて済むなら知りたくない。
それに明日は天野さんと会う日だ。
もし『予知』を今使って滅亡する未来が出てきたらショックで上手く話せないかもしれない。なのでちょっと今日は止めておこう。
「アマテラスの言う通りだな。ひとまず今日は『予知』は使わないけど、ちゃんと確認した方がよさそうだな。」
「あ、今日は使わないんだね?そしたらワールドの進行時間も遅いままの方がいいかな?」
「そうだな。ちょっと一度キャッスル戦をして状況を見たいかも。もしめちゃくちゃ弱かったらまた考えるよ。」
「りょうか~い。」
アマテラスはそう言うとキャッスル戦の対戦相手を探し始めた。
因みに俺の使うのはメリカン合衆国の海兵隊だ。
そう言えばキャッスル戦で核使うとどうなるんだろうか?
いや、フィールドサイズ的に無理があるな。
キングダム戦をやってみればいいのか?
そんな事を考えてるとアマテラスが対戦者を探し出して来た。
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