第102話 俺のワールドユニット大暴れしてた
俺は
流石に疲れてキャッスル戦もする気が起きない。
布団に入るとふと俺はライブラリーで学習した歴史を思い出した。
そう言えば、俺のワールド、俺の世界の歴史と似てないだろうか?
二つの大戦と核。
それは歴史の中でも出て来た世界に不安定な均衡をもたらした世界の転換点。
つまりその通りのシナリオに乗ったなら、核による全面戦争は無くなった可能性が高いという事だ。
もし
次の日、俺が学校に行くと、増田がまた新しく魔王が誕生したとため息をついていた。
「国立、お前のワールドのユニットはどうなってんだ?なんかどんどん魔王化してエンドレスなんだが?」
「いや、俺に言われても。」
「しかもなんか順調に強くなってるんだぞ!?こっちは魔王倒すのにイベ書注ぎ込む必要があるのに厳しすぎだろ。」
「まぁ、ワールド全体が強くなってるんだしいいじゃん。俺なんて世界が滅びかけたんだぞ?いや、まだ解決してないんだが。」
そんな話をしていると渦目さんが近づいて来た。
「国立!日付決めてやったぞ!明日の放課後に『創造してごらんなさい』に集合って事でよろしく!」
俺は一瞬なんのことだか判らずにリアクションが取れなかったが、天野さんの事だと判って動揺した。というかその場面を想像するとめっちゃ緊張する。
「お、おうぃえ、あり、がとう。」
俺の変な返事を聞くと渦目さんは手を振って戻っていった。
明日、明日か。というかどう話せばいいんだ?
俺は天野さんの事が好きだから誤解ではないんだが。
いや、変な噂の立ち方をしたのが問題だし天野さんにはとにかく謝って許してもらう必要があるよな。
明日のためにシミュレーションしておかないとな。
1.謝る
2.
3.告白する
これだ!この順番なら完璧だ!
俺が考え事をしていると誰かが俺の肩を叩いている。
「おい、聞いてるのか国立!?」
「お、おう、なんだ?完璧だぞ?」
「そうか、じゃぁ今日からトレード数を増やしてくれよ。」
「え、なんで?」
増田は軽く俺をビンタした。
「聞いてねぇじゃねえか。」
「うおい!今のは結構痛かったぞ!?ったく。とにかくトレード数を増やせばいいんだな?」
「おう、どんどん投入しないとちょっと状況がヤバいかもしれん。」
よく聞いてなかったが増田も大変そうだ。
でもまぁ順位もどんどん上がってるし贅沢な悩みってやつだ。
「いざとなったら俺が余ってるSR『神の怒り』を譲ってやるよ。」
「そんな状況にならない様にジャンジャンユニットをよこせ。」
そして、放課後。
いつも通り俺は喫茶『創造してごらんなさい』に居た。
そしてそこには凄いションボリした木花さんがいた。
「ワールド一回更地にしました。」
「え?更地って?」
俺がわけがわからなかったため聞き返すと木花さんが続けた。
「国立さんからもらったユニットが強くなりすぎて、最初国王になったんですよ。それはまあ、強かったし魔王討伐もしてたからいいんですけど。」
木花さんの話によると、どうやら俺の送ったユニットが国王になって他国への侵攻を始めたらしい。いくらかの小競り合い位はどのワールドでもある話なんだけど、木花さんの場合はレベルが違って、それこそ魔王か!って位の熾烈な侵攻だったらしい。
そう言えば俺のワールドでも大陸丸々侵略しかけてた化け物がいたっけ。
しかもその王様が長命の魔法を手に入れてから更に苛烈になり、遂には魔王化してしまったらしい。それで今の段階で誰も倒せないしかなりヤバい状況にまで追い込まれてやむなく『神の怒り』を使ったらしい。
「言ってくれればトレードできたのに。」
「もう気づいた時には取り返し付かない位侵攻されてて、マスターに相談したら、始めたばっかりだし一度更地にした方が早いって。」
そう言って木花さんは大きくため息をついた。
別に俺が悪いわけではないけど、なんか微妙な罪悪感を持ってしまった。
それに気づいた様で木花さんは手を振りながらフォローを入れてくれた。
「いや、国立さんのせいじゃないですよ。ただちょっと時期が早すぎたというか、運が無かったというか。」
「おう、なんか俺が慰めないといけないはずなのに、気を使わせてすまん。」
「いえいえ。でも国立さんのとこのユニットって強いですけど、なんか魔王になる確率高すぎじゃないです?」
確かにそう言われると、そんな気もする。
「確かにそうなのかも。そう言えばマスターはその後どうしろって?」
「うん、一先ずワールドが落ち着いたら時期を見て考えようって。」
どうやら俺のワールドのユニットは劇薬らしかった。
かなりバランスを取らないと世界が崩壊するとか、俺のワールドの核みたいだな。
マスターだけはそれなりに順調に俺のユニットを使いこなしている様だった。
流石マスター。
そして家に帰ると今度はアマテラスがわけの分からない報告をしてきた。
「国之さま~!マナが、マナが増えてるんだよ!!」
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