第56話 俺、キャッスル戦に乗り出す
正直俺は増田からもらったユニットに全く興味が無かった。
だってあっちの世界でも魔力ゼロとか、いや魔力あっても確かに俺の世界では使えないんだが。しかも検証する余地すらなかったら興味出ないよな?
そもそも俺はデュエルをしたいんだ!
誰かからもらったパーティーでもいいからデュエルをしたいんだ!
一瞬俺のワールドで一番強いパーティーをデュエルに出したらと思った時もあったが、全く望みは無かった。多分自分のワールドで戦っても蹂躙されるだけだった。
それが更にもらったユニットも俺のワールドのレベルまで落ちてくるとなると、正直絶望しかない。どうか、どうかそんなことありませんように!!
そんな事を考えながら俺は眠っていた。
で、朝起きるとアマテラスがいつもの様に俺に報告をしてきた。
「国之さま!見てみて!エンメカちゃんが凄い国作ったよ!」
誰だよエンメカ。
俺は寝ぼけた頭でモニターを見るとそこには今までにない城塞都市が出来上がっていた。これは王都!?
俺はドキドキする心臓を押さえてモニターに映し出された都市を観察する。
そこには大きな神殿を中心としたかなりの広さの土地を高い壁で囲った都市があった。白い壁でできた家々が立ち並び、都市の中を川が横切っていた。
エンメカ、エンメカ、もしかして昨日の子供か?
「こ、これ昨日の子供が?」
俺は生唾を飲み込んでアマテラスに聞いた。
「うん、なんだかすっごい頑張って国を作ってたよ。」
「おおお、これは、凄いな。」
正直国を作るとかどんな感覚なのか全く分からないが今までにない国ができているのを見るのはかなり嬉しい誤算だった。
俺はあのボロボロだったエンメカを思い出して感謝した。
「あのさ、アマテラス。もしかしてこれ、キャッスル戦できるのか?」
俺は思いついてアマテラスに質問をする。
「あ、確かに。ちょっとまってね!」
キャッスル戦は一つの城や城塞都市の様な軍事拠点を双方で攻撃して先に落とすか軍が戦闘不能になった場合に勝敗が付くデュエルの一つのレギュレーションだ。
アマテラスが少し調べて結果を教えてくれる。
「うん、できるよ!」
それを聞いて俺は凄く嬉しくなった。
「よし、じゃあちょっとやってみるか!」
俺は自分のワールドで戦ってくれるプレイヤーを探してもらった。
が、全く戦えそうになかった。
キャッスル戦の相手のステータスを見せてもらうのだが全然戦力が違うのだ。
魔法が無い分底上げはされるんだろうがちょっと無謀な感じである。
とは言えドラゴンパーティーの時みたいな事もある。
俺は一戦やってみる事にした。
因みに俺のキャッスルはかなり弱小だった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
プレイヤー名:国之常立
プレイヤーランク:983,659,223
戦績:ー
名前:ウルム
規模:M
推定戦力:326
都市防衛力:4,200
軍隊規模:1230
軍事力:231
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
軍事規模は概ね人数と考えて間違いないらしい。
軍事力は強力な武器や魔法、戦略的技術によって上がる数値だ。
上位になると軍事力が3000位まで行ってるんだったか?
選んだ相手もできるだけ弱いのを選んだんだがこんな感じだった。
例によって相手の情報は少な目だ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
プレイヤー名:ソゲキチ
プレイヤーランク:897,286,967
戦績:75%
名前:エルティナ
規模:S
推定戦力:1,652
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
数字からするとかなり始めたばっかりの人に違いない。
何せ規模がSだし、推定戦力も低い。
いや、俺よりは断然高いんだが。
この勝負、相手がどれだけ魔法で底上げされてるかで勝負が決まる。
というか俺の勝機はそこしか無かった。
「よし、この人で頼む。」
俺がアマテラスに了承を伝えると、あちらもオッケーらしくデュエルがマッチした。
モニターにイベントポイントが1000ポイント使われる旨が映し出される。
あれ?そういやキャッスル戦は1000ポイント使うんだっけ?
俺は一回アマテラスを止めようとしたが既に遅かった。
アマテラスは躊躇なくポイントを使って戦闘を開始した。
俺のポイントはあと2000。
やっぱバイト増やさないとダメだな。
おれは心の中で嘆息した。
フィールドは大凡20Km四方の正方形で、やはりその対角線にお互いの城壁都市が配置されていた。と言っても相手側は場所を示す点がミニマップに表示されているだけでその姿が見えるわけでは無いんだが。
お互いの城塞都市の間には特に隔てるモノも無く平原だ。
所々川が流れているが、それはフィールドの都市の無い角近くだったので飾りみたいなもんだ。
戦いが始まりアマテラスがワールド内に入って行った。
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