第9話 俺、ガッツリ稼ぎ始める
戦闘が終わった後、俺の下には一通のメッセージが届いた。
「国之さま~、どうやら大吉さまからメッセージが来たみたい。」
アマテラスはメッセージの情報を確認して教えてくれた。
まぁ来るとしたら
これまた想定内、メールにはクレームに近い文句が書いてあった。
『おい!魔法が使えないとかどういう事だ!
一体どんなチートしたらそんな事出来るんだよ!?
正々堂々戦え!!』
「ひっどーい!あの子達は正々堂々と戦ったのに!」
アマテラスは空中で地団駄踏んで憤慨しているが、正直、俺はこれを見て罪悪感が減ってありがたかった。そうだ、これはデュエルだ。この大吉だって、格下だから戦ったわけだし、俺のパーティーが普通に雑魚な人間とかだったらボロ勝ちしてスカッとしていたんだ。
「アマテラス、気にするな。俺たちは別に何も恥じる事はしてないし、それで戦いに勝ったんだ。」
「でも~。」
まだ何か言いたげなアマテラスに俺は別の話題を振る。
「それよりもアマテラス、この戦いで色々と確認したいことができたんだが。」
「うんうん!なんでも教えるよ!!知ってる範囲でだけど。」
「さっき、俺たちのワールドを戦闘条件にしたって言ってただろ?」
「そうだよ。相手を探す時にある程度条件が付けられるんだよ。まあ、自分達のワールドでって条件は一番最初の戦いの時にお薦めされてるだけなんだけどね。」
それで探したら格下相手ならそいつのワールドでもいいという大吉みたいな奴がいたわけか。
「後はねえ、ランクの上下とか、地形とか、戦績とかかな?」
なるほど、結構選べるんだな。
後気になるのは大吉も言っていた様に魔法が使えなかった事だ。
あれはやっぱ俺のワールドにマナが存在しないからだよな?
でもあの5人組はマナがあった。
体内のマナだけでは魔法は発動しない?なんか魔法の原理みたいのがあるのか?
正直魔法なんて、魔法使いが魔法唱えたらいいだけなのかと思ってたが。
「なぁ、アマテラス。魔法ってどうやって現象を起してるんだ?」
「え?魔法のゲンショウ?ゲンショウね、う~ん。」
アマテラスは難しい顔で腕組みして考え込む。
それを見て俺はピンときた。
こいつ質問の意味が解ってないな。
「つまり、魔法で火を飛ばしたりするだろ?」
「出るねえ、飛ばせるねえ。」
なんかアマテラスは解る話になった途端に明るい顔でブンブン頷き始めた。
「その時マナが減るだろ?」
「減る減る!だってそのためのマナだもんね!」
「じゃ、マナ消費して魔法を発動した後はどうやって飛んでるんだ?」
「え?マナが使われて、火が出たら勝手に飛んでくんじゃないかなぁ。魔法だし!」
「でも、それだと今回相手が魔法が使えなかった理由にならないだろ?」
「そう言えばなんかそんな事言ってたねぇ・・・なんで?」
いや、俺が聞きたいんだけど?
「もしかしたら、俺のワールドにマナが無いことが関係してるんじゃないかと思って。アマテラス何か知らないかな?」
「そうかあ!ワールドにマナが無いから使えなかったのかあ。さっすが国之さま!」
いや、だから俺が聞きたいんだけどね!?
しかし、それが本当なら稼ぎ時だ!
正直あの蹂躙的な戦闘は罪悪感残るが、まぁドラゴンだし仕方ない。
俺はゲットしたポイントを確認する。
イベントポイントが1172。
そのうち初勝利ボーナスが300、格上ボーナスが372だ。
イベントポイントを500消費すればもう一回デュエルができる。
つまり、これで負けてもあと2回は戦えるし、勝てば余裕ができてイベントガチャが引けるって事だ。
「アマテラス!稼ぐぞ!できるだけ近い順位で俺のワールドで戦ってくれる奴を探してくれ!」
「了解、国之さま!じゃイベントポイント500使うね!」
アマテラスはビシッと敬礼して相手を探し出す。
それから3時間。俺たちは全部で14戦して、その全てに勝利した。
15戦連勝のボーナスで俺のイベントポイントは5,193になった。
全体のハイライトとしていくつか挙げるとすると、まず魔法は誰も使えなかった。
つまり、俺のワールドでは魔法が発動しないのはほぼ確定という事だ。
正直魔法が使えなきゃあんな見上げる様なドラゴンなんかに勝てる訳ないよな。
ただ一人、推定パワー24,000の勇者がドラゴンと結構互角に戦ってた。
ドラゴンは獣的なので攻撃がシンプルだし、相手の剣技が優れていると色々と攻撃を受けやすかった。
もしや人がドラゴンに勝てるのか!?と思ったんだが結局3体に囲まれたらリズムを崩してやられてしまった。
そうは言ってもあの勇者、1人で10分近くも粘ったからな。やっぱ勇者ってすごいな。他のメンバーはパワー1万にも満たなかったのに飛びぬけて強かった。
それとパーティーメンバーが最大で7人というのがあった。
彼らは3人がクロスボウで結構ドラゴンにダメージを与えていたんだが、ドラゴンは足が速いから上手く距離をとる事も出来ず、リロードタイムがネックで、あっさりとやられてしまった。
それ以外は初戦と同じく圧勝だった。
順位もどんどんと上がって894,324,323 位になった。
まぁ全体の順位からするとたいして変わらないんだが。
で、今から貯まったポイントの一部でガチャを引くところだ。
「オッケー、これだけ貯まったらやっぱチャレンジだよね!」
アマテラスはそういって画面をガチャに移動した。
ワールド内ガチャで出るレアリティはほぼ
だが、
「さ、国之さま、何回ひいちゃう!?」
「よし、じゃ、6回引いてくれ!」
「まっかせて!えい!」
アマテラスが勢いをつけて映像のガチャを回す。
ガチャから6つのコアが転がり出て、それらが空中で綺麗に並ぶ。
それを左からアマテラスが金色のハンマーで割っていく。
一つ目、C
二つ目、C
三つ目、UC
俺は待ちきれずスキップボタンを押した。
「え?え~!?」
アマテラスが驚愕の顔で俺の方を向く。
その瞬間残りのコアも自動的に割れて中が出て来た。
C、C、R
「っしゃ!レアゲットだぜ!!」
「ちょっとちょっと!国之さま!せっかく私の見せ場なのになんでスキップするの!?しかも今回初演出なのにぃ!!」
「いや、ちょっとまどろっこしくて・・・」
うわ、めっちゃ落ち込んでる!?
誰だよアマテラスに酷い事したやつ!?
「す、すまん。次は絶対飛ばさないから、な?」
アマテラスは涙の溜まった疑いの目で睨んでいる。
「いや、ほんと。絶対最後まで見るって!」
「約束だよ!嘘ついたら全部Cにしちゃうんだから!!」
「え?マジで?それできるなら全部Rにもできるの?」
「え?出現率の操作はできないよ?やだな~国之さま。」
・・・俺は早速引いたイベガチャの中身を確認する事にした。
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