舞台の花形、脚光を浴びて
「血染、糸ちゃん、無事だったのね!」瓦礫の向こうから韋駄天がやって来る。
「韋駄天ちゃん!良かった、墜落に巻き込まれなかったのね!」糸は安堵の声を上げる。「…あれ、焔ちゃんは?一緒じゃないの?」
「うちならここや!」韋駄天の反対側、遠くの方から焔が叫びながら歩いてくる。「お人形の嬢ちゃんもほれ、ここに。」焔は担いでいた泥濘をゆっくりと下ろした。
「……黒やんな?うちが首絞められた時と一緒…いや、そんなん比じゃない程の情念…一体あいつに、何があったんや…?」焔は自身の過去を思い出しつつ、真白の身を案じる。
「あの子がここまで感情を乱してるんだ…おそらくは、あの子の過去と何か関係のあることだろうさ…」渋い顔をした血染が答える。
「…あの人は…」唐突に八重が口を開き、皆が彼女に注目する。「あの人は…普通じゃない…力も思想も、何もかもが…!その存在は最早天災、巻き込まれてしまえばひとたまりもないわ…!」光のことを思い出し、怯えるような目でそう言った彼女。
「…樹脂はこっち側についた、ゴスロリの子は気を失ってるからひとまず保留として…「憎しみ」のあんた、金髪の嬢ちゃん、そしてそこの茶髪の子。」血染に目を向けられた八重、肌触、そして心が反応する。「改めて聞こうか…あんた達は…どっちの側につく?」
「私達はあなた達につくわ!面白い子に出会ったことだし!」韋駄天にウインクする心、その韋駄天が困ったように苦笑いを浮かべる。「ちょっと、私達って何勝手に…!」「その様子じゃ、どうせあんたもとっくに腹決めてるんでしょ?」そう指摘された八重は思わず押し黙る。
「大丈夫よ…彼女達なら。」そっと八重に囁く肌触…少しの沈黙の後、八重は意を決した顔でゆっくりと頷く。「…分かった、あなた達の言う通りにする。その代わり、私の頼みを…聞いてはもらえないかしら……」
鳴り止まぬ轟音、吹き荒れる強風、そして…乱れ狂う
「あっはははははは!!愉しい、愉し過ぎるよ黒い具情者!!もっと、もっと激しく暴れようじゃないか、もう全部どうでもいいやぁ!」
「………!!!」
熱に浮かされたように笑いつつも光の剣を片手に、まるで鳥のような軽やかさで縦横無尽に飛び回る光。対する
(…セ…)
(ヤツヲ…コロセ!!)
黒がドン、と両手で地面を叩くと、
「おおっとぉ、あれは流石にヤバそうだな…くふふ、ヤバすぎてイっちゃいそうだぁ!!」大きく上空に跳んだ彼女、最早狂気的な笑みをその顔にはりつけ、光の剣を上に掲げた…すると彼女の後ろに、彼女が手にしている剣と同じものが無数に出現する。
「
ひび割れる大地、切り裂かれる大気、そして……
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