影踏み
–––「
「ダメよ、あなたも一緒に逃げるの!!理由は分からないけど情力が発現しない今、わたしやあなたといえどあの数相手に、この子を守りながら戦うことは出来ないわ!」
「それなら尚更、僕は君達を逃がす為に残らなくてはならない…さぁ、急いで!!」
「それなら盾のあなたではなく矛の私が…!!」
黒煙と赤炎が立ち込める夜の荒野、ある家族が決死の思いで逃げていた。それを追いかけるのは…色鮮やかな目をもった者達。
「無駄な足掻きを…
眼下では白達を何百もの具情者が襲いかかっている。しかしその具情者達は奇妙で、意識が定まっている者とそうでない者が存在していた…どうやら具情者のなかには暴情者も混じっているらしい。
「さて、後は任せていいか?私はこれから要人と会う予定がある。「暴情」の実証成果を報告し、契約を結ばなくてはならんのでな。」そう言った彼女、その足元に水が集まり、彼女はその水に乗って空の彼方へと消えていった。
「あーあ行っちゃったー、最後まで見ていけばいいのに…しょうがない!皆の勇姿はこの僕が見届けてあげるとするか!!」仮面をつけたもう一人の人物…光は情力を使い、
「
「…おい、何を言ってるんだ黒奈………ダメだ黒奈!よせ、戻るんだ!!………黒奈ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
(……どうして…どうしてこんなことに…わたしは…わたしは一体、どうしたらよかったの?)白と黒奈、二人の
(…どうしてわたし達がこんな目に遭わなきゃいけないの?どうして誰も助けてくれないの!?)やがて脚に、腕に、首に、今度は黒い模様が表れ始めた…
(どうしてわたしだけが残って……どうして……どうして…どうしてどうしてどうしてどうして!!!)闇に沈んだ黒い
(憎い憎い憎い憎い憎い憎い…憎い…!!!!!!!)
全てが黒に覆われる前、仮面を外した白い少女が立っているのが見えた–––
「…この世の
真白は…血を流し倒れていた。
「とはいうものの君の影、かなりのものだったよ!残光緞帳が跳ね返されたのは初めてだ、いやぁ大したもんさよ!」軽やかな足取りで伏せる真白へと近づく光。
「けれど残念、僕と渡り合うには少し力が足らなかった!」再び光剣を生み出し、その
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