黒と憎
(ヤバイっすね緑さん、まさかここまで圧倒的とは…)黄は冷や汗を浮かべている。
(緑さん、聞こえますか?青さんの情力回復まであと少しです、それまで頑張って下さい!)心の内から真白がそう言うと表の緑は「はいはい…でももう少し掛かるんだろ?だったらあとちょっと、楽しませてもらうとしようかねぇ!」そう言って
「
「おっとしまった、ドームを壊しちまった。」
「ちっ、めんどくさいことしやがって…鬱陶しいんだよ!!」間髪をいれずに黒は影を延ばし、攻勢に転じた。「
しかし
「!?どこだ!」周りを見渡す黒は、かつての真白同様急に謎の息苦しさを感じ、思わず片膝をついてしまう。
「いいのかい?敵に背後を取られてるのに座り込んで。」
黒ははっと目を見開き振り返る、するとそこには左手を大きく後ろに振りかぶった
凍りながら上空へ飛ばされる黒を、動く氷の足場に乗り追撃を試みる
(ちょっ、やりすぎじゃないすか!?そこまでしたらあの人が…)
「大丈夫だよ、そんなやわなやつじゃない…んなこたぁ、戦ってたあんたがよく分かってるだろ?いいから黙って見てな。」そう言った
「ダメ押しだ、喰らいな。」真白はその氷槍を黒目掛けて
(待たせてすみません、ようやく力が戻りました!)青が叫ぶ。「なんだい、ようやくノってきたってのに…」不満げな声を上げる
「情力発現「夜目遠目」!」髪と目が青色に変わり、水面に降り立った
……真白の脳裏に、闇夜のイメージが浮かんでくる……
–––どうして…どうしてこんなことに…わたしは…わたしは一体どうしたらよかったの?…どうしてわたしがこんな目に遭わなきゃいけないの?どうして誰も助けてくれないの!?どうしてわたしだけが……どうして……どうして…どうしてどうしてどうしてどうして!!!
憎い憎い憎い憎い憎い憎い…憎い!!!!!!!
気が付けば黒髪の少女、その周りで動くものは何一つなくなっていた。黒い空、冷たい雨、そして黒い地面に飛び散った赤い鮮血……頭に
その白い少女を見た黒い少女、思考の
彼女…ぼくの本体…生きてるのか…?だとしたらどうして…どうしてこんなに存在が感じられないんだ?…ぼくが抜けてしまったからか…いや、ぼくだけじゃない、他の感情もおそらくは…
じゃあ誰が彼女を守る?抜け殻同然の弱々しいぼくを?……もう……一人ぼっちなのに……
いや一人じゃない、ぼくがいる…誰もぼく達のことなんか助けちゃくれない…自分で守るしかないんだ…あの子を、いや、ぼく自身を!
可哀想な抜け殻のぼく、きみのことは何があってもぼくが守る。ぼくはきみの影となって、どんな絶望だって、きみには少しも近づけさせやしない……
………そう……
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