衣香襟影
「…しつこいやつだなぁ…」情力で水を巻き上げる
「
その
そうした一連を何度か繰り返したとき、黒の影が彼女の身体からずり落ちて足元へと戻ってゆく。「影がなくなった…そうか、時間制限!」勝機を見出だした
「うわっ!」いきなり黒の足元から現れた影が、まるで布のように
「…
「…ふふ、残念だったね…確かにぼくが影を
(強過ぎる…わたしの「憎しみ」はこれ程までに…!」真白は遠ざかってゆく水面を眺め、自身の感情の強大さに打ち
黒く深い
(面白くなってきたじゃないか、交代だよ…)
黒は突然目の前で水が噴き上がるのを見て取る。その噴射元から現れたのは…
「お前は…「楽しみ」の分情…!?」
「そうだよ、
そこには髪と目が緑色となった
(あいつ…今までどこに潜んでやがったんだ!)
(さあ…でもまぁ、今現れてくれたのは良かったんじゃないすか?丁度万策尽きてた頃だし。)
真白の心の中、赤と黄がそう言ったのに対し、青は懸念を示す。
(いえ、そうとも限りません…彼女は一度本体の乗っ取りを
(いえ、大丈夫…体の支配権はまだわたしにあります。今は緑さんが表に出ていますが、もしまた乗っ取りをされそうになったとしてもそれを阻止出来る立場にある…)
戸惑う一同に、真白が神妙に頷いて見せる。
(…ここは彼女に任せてみましょう…)
「…そういえばお前もいたなぁ…「楽しみ」の分情…」黒の表情が一層険しくなる。
「あたいだけ
「何が寂しい、だ…本気でそう思ってもないくせに…ぼくは四つの感情の内、お前が一番嫌いなんだよ…自分勝手、
語気を荒くした黒、再び影を操り真白に攻撃を仕掛けようとする、しかし…
「
「…なんのつもり?」黒が
「すぐに分かるさ。」そう言った
(影が…足りないだって?……!!」
黒は
「お前…影を光でかき消したな…!」
「ご名答、流石はあたいだ。」
「そうさよ…あんたの言う通り、氷による光の反射で影の出来る場所を大幅に減らし、あんたの力が及ぶ範囲を
「くそっ!」影を封じられた黒はその猛攻をなんとか避ける。ここに来て真白が優勢、攻守が逆転した。
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