お笑いかコメディどっち?~番外編「巨乳バニーガールと最強空手ギャルが弱虫オタクと同棲中」

神無月ナナメ

コメディなら意味は喜劇か……

「お笑いかコメディ?」背中に覆いかぶさる上半身。柔らかさとかぐわしき乙女の香り。認識しながらも距離感に戸惑う佳二だ。


 おバカな姪っ子。嫁になるとよく口にするが性的感情はない。心を見せず悪口に定評のある母親。追随する父もへらへら笑い。お世辞にも円満と呼べない三人だ。ギリギリ崩壊していないが。


 詳細は伝えられていないが昨年の末だった。半グレだったのか見た目良い三次団体構成員だ。裏原宿キャットストリート周辺で発生した誘拐劇。知りあいの救出だ。事件の発端がそれらしい。



 三次団体の持ちビルをダイナマイトで爆破。無事救出できたが「実行犯」でもあるお目付け役兼専属の運転手。田村源三さん。


 永依の育ての親的な存在。腹心の部下である彼を守ろうとして閣下まで遅参した。上部組織を統べる関東最大規模の住吉会だ。

 大手ゼネコン代表取締役社長の伝手から裏面での手打ち決着。


 家庭的と呼べない。だがしかし家族の形態ではあるのだろう。



 喜劇で調べる。他人を笑わせることを主体にした演劇や映画。テレビやラジオのドラマ作品。笑いを誘うやりとりを示す言葉。


 コメディとも呼ばれる。だがしかし西洋の元義は悲劇の対照。演劇での意味だ。本来なら笑えるものを意味するとは限らない。


 ダンテの神曲。『La Divina Commedia』。日本語訳「神聖な喜劇」も笑いを意味する言葉ではないだろう。




『終わりよければ全てよし』ウィリアム・シェイクスピア作品。17世紀の戯曲だ。男が女の元に夜這いをしたらベッドの内部は別人だったというオチだ。効果的に用いられるが通常なら喜劇。


 ハッピーエンドに終わらない。「問題劇」と呼ばれる作品だ。不自然な内容からシェイクスピア作品でも公演はされていない。



「お笑い」本来なら人を強制的に笑わせて幸せを与える技術だ。

 そんな考えの佳二。大切な部分が言葉じゃない捉え方なのだ。

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