コメディーについて思うあれこれ
雪車町地蔵@カクヨムコン9特別賞受賞
第1話 お笑い/コメディについて思うこと
えらい。
正直、コメディを書ける人って、めちゃくちゃ偉い。
だって、読者を笑顔にしようって心意気なわけでしょ? これを偉いと言わずして、なんと呼べばいいのか、私は表現の言葉を持たない。
創作とは――なんて大仰なことを語るつもりはない。
だが、誰かが読むことを想定して物語を書くというのは、想像以上に大変なことだ。
相手を傷つける物語があり、涙無しでは読めないお話があって、センスオブワンダーと称される感覚が尊ばれる創作の世界。
そこで、読者が笑えるように全霊を尽くすってのは、尋常じゃない力量と覚悟と、積み重ねが必要になってくる。
不謹慎や理不尽を排し、あるいは逆に利用し、毒を吐き、その毒を薬にする技術。
マンガや現実のコントならば、絵面や聴覚に訴えることも出来るだろうが、小説ともなれば純粋なおかしみでの勝負となる。
勢いで笑わせればいいという意見もあるだろうが、それだって製薬が沢山だ。
これだけあちこち縛られているのに、コメディ畑の人たちは私たちをくすりとさせてみせる。
これにはシャッポを脱ぐしか、敬意のあらわしようがない。
とくに、だ。
ラブコメというやつはスゴい。
私には、あれがどのような術理で構築され、どのような効果を読者に与えるのか、カケラも読み解くことが出来ない。
オーパーツやロステクの類いだ。
ラブコメを読み、笑って、泣いて、ドギマギして。
そうしてその日一日、ちょっとだけでもいい気分で生きてみようという人は、多分この世の沢山いる。
コメディの作者は、そんなにも多くの人を救っているのだ。
言わずもがな。
世の中ってのはいつだって薄暗い。
どこにだって影は射すし、人生は万事うまくいかないことだらけだ。
だからこそ、息抜きというやつは必要で。
とくに大衆というのは、笑いを求める。
私には難しいことだが――これを成し遂げられる方々がいる。
切に思うのだ、本当にその人達は偉大であると。
笑顔は本来攻撃的なものだとか、そういうミームも存在する。
けれど、やはり笑うと人間ってやつは、気分が楽になるのだ。
人を楽に出来る創作を生むコメディ作家達を、私は心から尊敬している。
オチも何もあったものではないが、これが私の、偽らざる本音だ。
世に生きるコメディ/お笑い作家達に、輝かんばかりの未来と祝福があらんことを、心より祈る次第である。
以上!
コメディーについて思うあれこれ 雪車町地蔵@カクヨムコン9特別賞受賞 @aoi-ringo
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