鬼人の力 1
王城の庭に国王陛下直属の騎士団{蒼穹騎士団}の皆さんがきっちりと整列している。人数は30人と少ないが、この国の最大戦力らしい
今回はその中でも選りすぐりの10名と騎士団長、副団長が参戦するのだ
誰が騎士団長と副騎士団長かは聞いていないが、おそらくあの二人だろう
肩幅広め・・・なんて言葉で済ませられないほどの巨漢を誇る騎士
身長は3メートルに届くレベルだ
髪は鮮やかな赤色で、髪型はまるで獅子を思わせるたてがみのようだ
それに加えて長ズボンに上裸の赤マントだけという、街で見かけたら人によって通報されるレベルだ
もう一人は美人な女性
身長は160くらいかな?
金髪のセミロングでとても凛々しい雰囲気だ
こちらは白銀の軽装備 白銀のマント 腰にレイピアが一振りだ
僕の視線に気がいたのか二人がこちらに歩いてくる
巨漢な騎士の方から声をかけてくる
「はじめまして、アベル殿。蒼穹騎士団団長 {赫獅子}のマゼルだ。本日はどうぞよろしくどうぞ」
「こっ、こちらこそよろしくお願いします」
と差し出された手を取りながら答える
・・・僕の手がまるまるつかまれた
「で、こっちが・・・」
「はじめまして、蒼穹騎士団副団長 {氷結姫}イルデです」
「よろしくおねがいします」
こちらも手を差し出されたので握り返す
ひんやりしていてやわらかい。すべすべだ
・・・ちょっと気持ち悪いな。僕
「さて、あとは・・・」
と、マゼルさんが門の方を見る
つられてそちらを見ると門のほうから心地の良い魔力が流れてくる
因みに僕が魔力の流れを感じ取ることができるようになったのはレオンさんから異常者が僕にわたった理由を聞いた二日後だった
一日目はいつもより感覚が鋭くなっただけだった
しかし、二日目の朝。起きると、体の中をゆっくりと巡る温かいものを知覚できるようになっていた。異常者を発動しているとレオンさんとの会話ができるので、このことについて聞いてみると魔力だって言われたんだ
これはレオンさんが異常者にため続けていた魔力を、僕の体に流しているらしい
このあたりについても僕は知らなかったため、異常者にはまだ隠された能力があるのかもしれない
と、これまでの事を僕が振り返っていると声がかかる
「騎士団の皆さん、すみません。少し遅れてしまったようですね」
と、修道服に身を包みニコニコした30台前半の男性が歩いてくる
心地よい魔力の発生源はあの人だ
近くで見ると、恐ろしいまでの魔力量で飲み込まれそうになる
ただ、それは支配ではなく抱擁されるような魔力だ
「マゼルさん、お久しぶりです。イルデさんも」
「お久しぶりですな、イリューデル殿。よろしくお願いしますぞ」
「イリューデルさん、お久しぶりです」
どうやらこの人が陛下の言っていた助っ人で、イリューデルさんというらしい
「…と、そちらが……?」
僕に回ってきたのでしっかり挨拶をする
「Dランク冒険者のアベルです!よろしくお願いします」
「へぇ……君が……。今日は頼むよ」
「はい!」
僕がDランクだと聞いていたのか、嫌な顔一つせず握手してくれる
と、僕たちの挨拶が終わったところでマゼルさんが口を開く
「それでは、そろそろ参りましょうか」
「えぇ、そうですね。行きましょう」
マゼルさんが蒼穹騎士団の皆さんに声をかける
「皆の者!聞け!今から相対するのは大昔、我らが領地を踏み荒らした強者だ!
しかし、我々には強力な助っ人がいる。こちらのアベル殿とイリューデル殿だ。イリューデル殿は、言わずと知れた{到達者}である!そして、こちらの少年。
アベル殿はアークオーガ4・0・0・を屠ったのだ!諸君らには基本的に我らの補助を頼みたい。やってくれるか?」
「「「はっ!!!お任せを!!!」」」
こうして僕たちは奈落の森に向かうのだった
世界最凶の異常者〜勇者パーティを追放された僕の職業<異常者>が最強だったので成り上がります〜 うめのう! @beraume
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。世界最凶の異常者〜勇者パーティを追放された僕の職業<異常者>が最強だったので成り上がります〜の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます