欲しくなかったシックスセンス

セントホワイト

ありがちなお話

世の中は理不尽だと思う。

例えば朝、まだ太陽すら朝の挨拶をしていない暗い時間に目が覚めると得をした気分になる人と損をした気分になる人がいるかと思う。

一般的に早起きすると頭はスッキリとし、皆が寝静まっているところを起きているという少しの優越感が得られる。

さらに自分の活動時間が増えることにより出来ることが増えている。

スッキリとした脳。疲労のない身体。自由な時間。そして少しの優越感。

それらを手に入れるために必要なのは布団という強敵を倒すことのみではあるが、この強敵を倒すのは現代人にとって並々ならぬ意志が必要だ。


起床という大敵。


起きないという選択肢は存在していない。

いつかは起きなければならない。

会社に行くにしろ、学校に行くにしろ起きなければ始まらない。

満員電車に乗ることになるのだとしても、車で渋滞に巻き込まれることになるのだとしても、自転車を全力でこぐことになるのだとしても時間内に行かなければならない。

それこそ日本で生きる社会人だ。

会社や学校についてもしたくもない勉強やご機嫌取りをしたり、残って居残りや残業をしていかなければならない。

結婚していれば家に帰れば育児や掃除、ご飯の準備をしなければならない。

自分の時間を削り、捻出してもそれは何処かへと消えていく。

男女の差異など関係なく、現代人に襲いかかってくる現実という理不尽。

これを楽しめる者こそが現代人において最強なのではないかとさえ思うほどの苦難がこれから先に待つのだ。










「おぎゃあ! おぎゃあ! おぎゃあ!」


という、予知夢を生まれた赤子は見て泣いた。

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