ヨウコ先生の魔法 🕊️

上月くるを

ヨウコ先生の魔法 🕊️



 山の動物たちが通う小学校も、人間の学校と同じように3月で学年が変わります。

 1年間お世話になった先生とお別れしなければならないので、3年2組は大騒ぎ。


 ――ねえ、せんせい……。(´;ω;`)

   つぎのせんせいって、どんなせんせい? 

   あたしのこと、わかってくださるかしら。


 とても不安そうにしているのは、いつも給食を食べるのが遅いシマリスの女の子。


 ――やだな、せんせいが変わるの。(*´з`)

   おいら、きっと叱られてばかりだろうな。

   だってさ、いたずらが大好きなんだもん。


 泣きそうな目をして角をとがらせているのは、元気いっぱいのカモシカの男の子。



      *



 担任の先生が変わるのは一大事ですから、子どもたちの心配も無理がありません。

 で、キツネのヨウコ先生は、かわいい教え子たちに魔法をかけることにしました。



   🐇🦭🐞🐲🦄🐦🦕🕊️



 さあ、みんな、目をつぶってね~。

 いまから先生が魔法を唱えますよ。


 先生がチチンプイプイと言ったら、自分のこころの声を聞いてみてくださいね~。

 ぼくには、わたしには、どんないいところがあるかな。得意なものはなにかな~。


 勉強のことだけでなくていいんだよ、運動でもお絵描きでも音楽でもお掃除でも。

 保護犬を家族にしている、通学路の猫と仲よし、困っている1年生を助けた……。



      *



 さあ、どうかしら? こうしてあらためて思い出しててみると、自分のいいところがたくさん発見できるでしょう。ん? ありすぎて困る? そうそう、その調子よ。


 いい? みんな~。(*´▽`*)

 それが、ぼくなの、わたしなの。

 だれもがみんなマイスターなの。


 どうかそのことを忘れないでね。

 4年生になっても、その先もね。


 

 


 


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ヨウコ先生の魔法 🕊️ 上月くるを @kurutan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ