(8)
翌朝。
猫は俺よりも先に起きていた。しかもまた冷蔵庫を物色している。
「昨日から何も食べてなかったもんな。」
じっと覗いている猫を脇目に牛乳を取り出し、
深い皿に注ぐ。取り出して、注ぎ終わるまで猫はずうと目をはなさなかった。
緊張しつつも昨日で少し慣れたのかあまり不快感はなかった。
猫はすごいスピードで飲み干していく。
本当に腹をすかせていたのだな。
思い出せばなにかうまくいかなかったときにすごく腹を好かせたものだな。
その時に食べたのが大盛りのカレーライス。カレーは具材を切ってルーと一緒に
水で煮込んでしまえば数日は持つし、お腹いっぱいになる便利な食べ物だ。
・・・ろくに帰ってこない親父に、それに関心のない母親がよく作ってくれたものだ。
「・・・はっ」
いつの間にか物思いにふけっていた。我に返るとちょうど猫が俺の顔を見ながら
あくびをしている最中だった。
「おい、人の顔をみてあくびをするんんじゃない!!」
少し強めに言うと昨日と同じく、ビクついて家の玄関まで行った。
これでもう家には来ないだろう。
俺の家はせまくて窓も少ないから玄関を開けっぱなしにしている。
換気対策になるし、他の住人は管理人以外いないから楽勝なのだ。
少し開けた隙間から猫は出ていった。
ふう・・・これで一安心だな。
俺は身支度して仕事に出かけていった。
ドアを開けたら猫が座っていた リーグルマ @maha1027
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ドアを開けたら猫が座っていたの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます