魚平き、ヒラメかな。

@r_417

魚平き、ヒラメかな。

***


「えー? たいらな魚と言えば、ヒラメでしょ?」

「いやいや。カレイって、オチもあり得るよね?」


何て馬鹿な発言を尻目に生まれたタイトル「魚平き、ヒラメかな。」

アナタは読むことが出来ますか?


用意したヒントは2つ!


1つ目のヒントは「サカナたいらき、ヒラメかな。」とは読まないこと。

かと言って、「サカナへいき、ヒラメかな。」もまた違う。これ以上は意図せぬヒントになりかねないので打ち止めで。


そして、2つ目のヒントは……。

読み方発想って、自由フリーダムだよね」ってこと。


上記2つのヒントから、冒頭の会話は茶番に過ぎないことに気付くことだろう。



では、いったい何と読むのか?

答えを紐解くのは、平らな魚を知り尽くす知識量でもなければ、ヒラメ料理に精通するマニアックさでもない。


必要なのは第六感。

言い換えるならば『ひらめき』というものだろう。


もうお分かりいただけただろうか?


私は、こう読んで欲しかった。

魚平ひらめき、ヒラメかな。」


平き姿をした魚である『ひらめ』。

そして、第六感とも呼ばれる『ひらめき』。


その二つを結びつける言葉遊びをしたかった。

……ただ、それだけ。それだけのことなんだけど……。


「それで? 『ひらめき、ヒラメかな。』ってタイトルを付けるということはさ、主人公をヒラメに物語を展開していくつもりなの?」


ヒラメが主人公の小説!?

どんなファンタジー!? それとも童話か……!?


言葉遊びでスタートしたタイトルのオチは、いつしかヒラメのファンタジーに悩まされ続けるという酷く自らを苦しめる結果に着地することになっていた。


【Fin.】

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