書き出しは脳内独白の描写から。職業人としては優秀なことをうかがわせる言葉と粗雑な言葉(例:「じゃあねえ」という語尾)の流れが物語の先行きを期待させます。なかなか粗雑な人間を描くのは難しいと私は思うのですが、深みのあるよい粗雑さを描けていると思いました。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(1643文字)
企画から来た者です。あれこれと説明するよりも三行でその瞬間的な映像と主人公視点を一気に見せる手腕が素晴らしいなと思いました。その後続く数行でおおまかな背景を読者に伝えるテンポの良さと、無駄を省いた場面展開がとても勉強になります。凸凹コンビというのが当方大好きでありますので、二章以降二人の関係がどういう風に変わっていくのか、とても楽しみです。
序盤に感じていたものも、一章の最後にはおやおや?と思わせるものに変わり、とても見入ってしまいしまた!
描写が丁寧で設定もしっかり作りこまれています。物語の細かい部分も目が届いていて、より深く没入することができました。