弱陰キャ強陽キャ

kakkiman

第1話 立ち位置

 人類が誕生して約700万年、進化をし続けてきた。衣食住を基本とし人々の生活を快適にするために、人類は考え、ものを作ってきた。

 そして現代。企業は新しいものやサービスを作り出し、利益を生み出している。しかし、全ての企業がそうではない。企業のブランド力や良い商品を作る企業は多くの利益を作り、世間から注目されない商品を作る企業はあまり利益を作れない、言わば弱肉強食である。

 学校では目立つものが勝者、目立たないものが敗者である。

 そのため、現代の社会では学校のことをこう呼ぶものもいる

  「弱陰キャ強陽キャ」と






校門を通り桜が舞う日、僕は高校生になった。

新しい校舎、新しい友達、そして新しい教科書の臭い。

そこまでは良かったが…

数日後

クラスの中で陽キャを中心としてグループができていた。僕はグループに入るタイミングを失い、いつの間にか陰キャだけのグループに入っていた。

表面上はニコニコしていたが、心の中では泣いていた。

そのため、休み時間はほとんど教室に居らず、図書館にいた。

ある日、いつものように図書館に行くと、【ドン】すれ違う際に肩と肩がぶつかってしまった。

「すいません、大丈夫ですか」

そう言いながら落とされた本を拾って渡した。

「私こそごめんなさい、拾ってくれてありがとうございます、相田くん」

僕の名前を言って、彼女は去っていった。今までに体験したことのないくらい胸が痛かった。

「相田くん、大丈夫?」

「大丈夫だよ、石井くん。」

「相田くん、山本さんと知り合い?」

僕は首をゆっくりと横に振った。

「山本さんは学年のマドンナって言われてるらしいよ」

そう言われ、僕には遠い存在だと思った。胸はまだ痛かった。














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