みうちゃんとオナラレスキュー

國分

第1話

ある日みうちゃんは、寝る前の布団の中で悩んでいました。

なぜかと言うと、毎日毎日オナラが止まらないからで。

昨日も授業中に『ぶっ』とオナラが出てしまいました。


「あー、なんでこんなにオナラが出るのかしら。他の子に聞いたけど、皆こんなにオナラしないって言うし、みんな私のこと指差して笑う。」


などと考えながら、みうちゃんは寝てしまいました。



「ママあのねお願いがあるの。私ねオナラがもの凄く出て困ってるの。友達にもバカにされちゃうの。お願いオナラが出ないようなご飯を作って。」


と、翌朝ママにお願いしました。


「みうちゃん、オナラは体に悪いことじゃないのよ。

我慢をしてると体にものすごく悪いの。だからみうちゃんがオナラをしたい時にいっぱいしなさい。」


ママはみうちゃんがどれだけ悩んでいるのかわかってくれませんでした。


「だから、そんな事言って私がイジメられても知らないからね。」


みうちゃんはママと喧嘩しました。



2ヶ月後みうちゃんは、ぶーちゃんと言うあだ名で友達から呼ばれていました。


「よー、みう今日もブーブーしてんのか。」


毎日友達からブーと呼ばれているのが始めは嫌でしたが、友達も気兼ねせずにオナラをする様になったので、みーちゃんも気にしなくなりました。

ただ、


「これじゃあ、大人になっても彼氏なんか出来ないなぁ。」


なんてうっすらと思う事もありました。



ある日、学校で大きな地震が起こりました。


ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ


「みんなつ気をつけて、静かに机の下に隠れてください。」


先生が大きな声で言いました。

みんなそれに従って机の下に隠れます。


地震が落ち着いたので、廊下に一列に並び外に避難します。

押さない、駆けない、喋らない、戻らない、です。



グランドにみんな整列しています先生がいました。


「あれ昴九郎がいない、昴九郎はどこいったの、みんな知らない?」


誰も昴九郎の事を見ていませんでした。


「あいつチョロチョロしてるからきっと学校の中で迷子になったんだ。バカだな。」


男の子がいました。


「友達にそんなこと言っちゃいけないんだよ。」


他の女の子が言いました。



バン!!!!!


その時、学校から大きい爆発音が聞こえました。

理科室で何かが爆発したのです。


みんな後ろに受け取りました。学校の方から声が聞こえます。


「助けて助けて、0僕ここだよー。」


迷子になった昴九郎は、たまたま理科室のそばにいたのでした。


「大変早く消防車を呼んで!」


先生が消防署に電話しました。

ちょうど消防署は学校の向かいにあります。

しかし運の悪い事に、消防車は出動していたため、学校にすぐ来ることができませんでした。

でもこのままだと昴九郎が火事で焼け死んでしまうかも知れません。

みうちゃんは、グラウンドにしゃがみ込みました。

こんな時、何も出来ない自分を歯痒く感じました。

大きく息を吸って溜息を吐きました。


ボン!!!


何かが爆発した様な大きな音が、グランド中に響き渡りました。


皆が音の方を見ます。

しかしそこには誰もいませんでした。

音の犯人はみうちゃんでした。

オナラの勢いで20 m 以上高く飛び上がっていたのです。


ボン ボン ボン ボン ボン


その後も特大のオナラを繰り返し、学校の向かって、上下しながら進みます。

そして燕九郎の前に来ました。窓から伸びている昴九郎に手を掴み急いでその場から離れました。

そしてグランドにゆっくりと着地します。


「危ない、ギリギリのところだった。私のオナラの残量はもうゼロよ。」


みんながみうちゃんの近くに寄ってきました。


「凄いよ、なんでこんな事が出来るの!」


「私も初めてだったけど、まさかオナラで飛ぶことができるなんて知らなかったわ。」


今まで、散々みんなにバカにされていましたが、オナラの事を褒められて嬉しい気分になりました。


「うん、わかったじゃあママにいっぱいオナラが出るレシピ聞いておくね。」


「ありがとう、みうちゃん。オナラって最高!」


その年の夏、みうちゃんのクラスは、全国大会で優勝しました。

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みうちゃんとオナラレスキュー 國分 @m_kokubun

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