社会は君を必要としていない

白川津 中々

お祈りメールが届く。


見慣れた文面に溜息。そりゃあ俺なんか採らねぇよなぁという納得が胸を占め、締める。諦めではなく自衛的な精神による逃避思考。惰弱で惨めだ。


何もかも嫌になってしまうが全てを投げ出すような勇気もない。一応職に就き生活できているからか、生に執着してしまう。さっさと辞めたいが今後を考えると……


ともあれ、次に応募しよう。

次に……


思い出す引き攣る笑顔と吃る返答。受け応えの内容は散らかり散らかり。押された社会不適合者の烙印が今日も気分を底に沈める。こんな人間が職を変えたところで真っ当に生きられるわけがないと知りながら、いったい何を夢見るのか。哀れ。



こんな弱さがあるから駄目なのだ。

いい歳をして恥ずかしくないのか。

努力が足らない。

知識が足らない。

常識が足らない。



満ちない人生に四苦八苦。

死ぬまで不足。取るに足らない無様な人間。叩けばカラカラ音が鳴る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

社会は君を必要としていない 白川津 中々 @taka1212384

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る