第187話 人それぞれの事情
https://kakuyomu.jp/works/16816927861385549272/episodes/16818093087689394679
↑この話を披露しながらカウンターで飲んでいると
ママがチラチラ、カウンター端の男性を見る
「ん?どうしたん?」
「Tさん、良かったらあの方ご紹介してもいい?」
というわけで俺は席を移り、Oさんという、58歳の男性の隣に座る
穏やかな方だ、「こんな私の話で良ければ・・・」と御自身の体験談を聞かせてくれた
コンゴ民主共和国に2年間、国家公務員という立場で派遣されていたOさん
2021年12月某日の朝
北キブ州の市場で川魚を売っている顔見知りの40代男性から
「今日、◯◯(飲食店)に行くか」と聞かれ
「その予定だ」と答えたところ
「いつもウチの娘たちに良くしてくれてありがとう。今日は家にいろ」と言われた
何故かを問うたがそれ以降は男性は無言で、逆に早くあっちに行ってくれと追い払われる
同日午後3時
◯◯の入口付近で男性が自爆、7人が死亡、14人が重軽傷を負った
年明け1月に、ISIL(アイシル・イスラム過激派)による犯行と報道があった
Oさん「朝、市場を訪れ彼と話さなければ、私も巻き添えだったかも知れません。あんな普通の、家族思いの男が・・・」
感情が込み上げたのだろう
Oさんはしばらく黙ったまま、グラスを傾けていた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます