第175話 隠された本心

Lママが20代OLのころ、当時50代のS部長(男性)がとても可愛がってくれたそうだ


自分の娘を重ねていたらしく、実の親のように親身になってくれた


Lママが25で寿退社してから5年経ったある日


S部長が心筋梗塞で亡くなったと訃報が届いた


Lママも葬儀に参列したが、S部長の優しい人柄がうかがえるような式だった


参列者全員に、心から惜しまれて部長は送り出された


それから数日後


S部長の奥様から、改めてお会いできないかと連絡があった


後日、某ショッピングモールのカフェで奥様と会った


Lママ「何だったと思う?」


俺「えっ、葬儀参列の御礼とか?」


「真逆よ。奥様からいきなり『説明しなさいよ!』って責められたのよ。部長の携帯から、集合写真から私と部長だけを切り取ったツーショットとか、部長と通話した際の私の声の録音とか、いっぱいデータ保存されてたの。辞めて5年経つのに」

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